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ヒマラヤ山岳の国と地域


Nation and Entity in Himalayan Range


フンザ渓谷(Huza パキスタン)

青山貞一
掲載月日2021年10月17日 独立系メディア E-wave Tokyo

フンザ(パキスタン北部)   出典:NHKBS3シルクロード
ヒマラヤ山岳の国と地域
序説 ブータン ザンスカール
アルナーチャル プラデーシュ ネパール カラコルム山脈
チベット カシミール フンザ渓谷
シッキム チベット亡命政府 ワハーン回廊
青山貞一・池田こみち:チベット少年の亡命生活を描いた「オロ」鑑賞記

◆フンザ渓谷Hunza パキスタン





パキスタンのフンザの位置 出典:NHKシルクロード

 フンザ (Hunza, ウルドゥー語: ہنزہ‎) は、パキスタン・イスラム共和国北西部ギルギット・バルティスタン州のフンザ=ナガル県(英語版)に位置する地域である。

 広義では、藩王が1974年まで支配していたフンザ藩王国(英語版)の版図[1]、狭義ではその王都があったカリーマーバード(英語版)(Karimabad)を指す。


フンザ藩王国の国旗
Source:Wikimedia Commons

◆フンザ (Hunza)


フンザ藩王国の国旗

 パキスタン・イスラム共和国北西部に位置する地域です。

 フンザは広義では、藩王が1974年まで支配していたフンザ藩王国の版図(パキスタン Northern Areas の最北部)、狭義にはその王都があったカリーマーバード (Baltit) を指します。

 中華人民共和国との国境と接し、面積10,101平方キロメートル。中国のカシュガルへ向かうカラコルム・ハイウェイ沿いに、観光ホテルや安宿の集まるカリーマーバード、ゴジャール (Gojal) にあるパスー、グルミットなどの集落が点在しています。

 現地ではブルシャスキー語(Brushaski)が使われていますが、英語やウルドゥー語も解されています。

 ゴジャール地域では ワヒー語(Wakhi)が話されている。シーア派イスラームのイスマーイール派信者が多く、パキスタン他地域のイスラム教徒と比べると、風習や服装はかなり異なります。

 パキスタンと中国新疆ウイグル自治区を結ぶアジア横断ルートの途中にある上に、7000m級のパミール高原の山々が迫る辺境にあるため、外国人観光客や登山目的の旅行者が多くなっています。アジアを旅するバックパッカー(個人旅行者)には「伝説の地」、「桃源郷」と呼ばれるほど、景色がすばらしいと言えます。

 自然豊かな村や谷は、4月になると杏の花でピンク色に埋め尽くされます。

 また、酒類の入手が困難なパキスタンにおいては珍しく、フンザワインと呼ばれる飲料が旅行者の間の隠れた名物となっています。そうした風土を愛して長期逗留する旅行者が少なくありません。以前は日本の旅行会社のツアー客も多数訪れていましたが、アメリカ同時多発テロ事件以降、訪問する観光客は減少傾向にあります。


 春、フンザでは杏の花が咲き乱れ、まさに桃源郷となります。


フンザ(パキスタン北部)   出典:NHKBS3シルクロード

 以下は比較的最近のフンザ渓谷の写真です。いずれも出典は、グーグルストリートビューです。


最新(2019年)のフンザ渓谷
出典:Muhammad Hassaan グーグルストリートビュー                   


2017年のフンザ渓谷
出典 :Syed Azfar Hussain グーグルストリートビュー 


2018年のフンザ渓谷
出典 : Usama surani グーグルストリートビュー



フンザ渓谷と湖 2019年6月撮影
出典 :Pakistan tourism ZSM グーグルストリートビュー

 日本人旅行者の間では「風の谷のナウシカ」の「風の谷」のモデルとなったと言われてきました。旅行人編集室『旅行人ノート5 アジア横断』旅行人、1998年、134頁でも伝聞情報として取り上げられていますが、スタジオジブリ公式ホームページ及び各種アニメ関係書籍ではその旨が示されたことはなく、根拠は不明です。

 前述ガイドブックにおいても、2002年の改訂版からは抹消されています。しかし、宮崎駿自身は「(風の谷のイメージは)中央アジアの乾燥地帯なんです」と雑誌の対談で明言しています。

出典: Wikipedia

<参考>

青山貞一:シルクロード絶景50選 フンザ


フンザの地理

 北で中華人民共和国、北西でアフガニスタンとの国境と接し、面積10,101平方キロメートル。中国のカシュガルへ向かうカラコルム・ハイウェイ沿いに、観光ホテルや安宿の集まるカリーマーバード、ゴジャール(Gojal)にあるパスー村、グルミット村などの集落が点在している。

 ワハーン回廊へは、カランダル峠、イルシャード峠で夏期のみ連絡されている。また、ワフジール峠でバダフシャーン州(アフガニスタン)とタシュクルガン・タジク自治県(中華人民共和国 新疆ウイグル自治区 カシュガル地区)が連絡されている。


パキスタンのフンザ渓谷の位置   出典:グーグルアース

住民 民族 言語

 現地ではブルシャスキー語(Burushaski)が使われていますが、英語やウルドゥー語も解されている。ゴジャール地域では ワヒー語(Wakhi)が話されている。

宗教

 シーア派イスラームのイスマーイール派信者が多く、パキスタン他地域のイスラム教徒と比べると、風習や服装はかなり異なる。

産業

 パキスタンと中国新疆ウイグル自治区を結ぶアジア横断ルートの途中にある上に、7000m級のパミール高原の山々が迫る辺境にあるため、外国人観光客や登山目的の旅行者が多いと言える。

 アジアを旅するバックパッカー(個人旅行者)には「伝説の地」、「桃源郷」と呼ばれるほど、景色がすばらしい。自然豊かな村や谷は、4月になると杏の花でピンク色に埋め尽くされます。また、酒類の入手が困難なパキスタンにおいては珍しく、フンザワインと呼ばれる飲料が旅行者の間の隠れた名物となっている。


フンザ渓谷
Source:Wikimedia Commons

 そうした風土を愛して長期逗留する旅行者が少なくない。以前は日本の旅行会社のツアー客も多数訪れている。

 日本人旅行者の間では「風の谷のナウシカ」の「風の谷」のモデルとなったと言われてきいた。旅行人編集室『旅行人ノート5 アジア横断』旅行人、1998年、134頁でも伝聞情報として取り上げられているが、スタジオジブリ公式ホームページ及び各種アニメ関係書籍ではその旨が示されたことはなく、根拠は不明である。前述ガイドブックにおいても、2002年の改訂版からは抹消されている。宮崎駿自身は「(風の谷のイメージは)中央アジアの乾燥地帯なんです」と雑誌の対談で明言している。

自然災害

 2010年1月4日、フンザ川に面した山腹斜面が地すべりにより崩壊し、天然ダムが形成された。天然ダムは、ダム湖(アッタバード湖)を形成したことから、川沿いの複数の集落やカラコルム・ハイウェイが湖に水没するなどの被害が生じている。


地滑りによりたびたび交通が何時間も断絶される
Source:Wikimedia Commons


 ※ 田中宇:中国の一帯一路と中東
 
 田中宇さんの最新論考「中国の一帯一路と中東」をじっくり読むと、Hunza Valley (フンザ渓谷)、その中に出てくる中国の一帯一路政策のかなめである中国とパキスタンをつなぐ「中パ回廊」の中心点がHunza Valley (フンザ渓谷)となることが分かります。このあたりはカラコルムとも接している。
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 「中国の一帯一路と中東」は、陸路、海路合計7本の新たなシルクロードを目指す回廊だが、その陸路の最重要な道路が「中パ回廊」であり、これが完成し、すでに手を組んでいるロシア、中国、イランが連携すると、軍事、経済両面で中東が戦後初めて安定化することになる。
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 一方、「中パ回廊」の一方の国パキスタンとアフガニスタンは、アフガン戦争以来、米国からの援助と引き換えに国を言わば蹂躙されてきたが、ロシア、中国、イランのなかにパキスタンが入ることで、行く行くはアフガニスタンも安定化することになると述べている。
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 ところで、Hunza Valley (フンザ渓谷)の南西、パキスタンとアフガニスタンの境界にカイバル峠(the Khyber Pass)がある。カイバル峠はその昔、マケドニアのアレクサンダー大王などが通った有名な峠だ。将来、ロシア、中国、イラン、パキスタンが手を組み中東を安定化させたら、このカイバル峠も通行が楽になるはだ。
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 いずれにせよ、中東地域は、米国、イスラエル、サウジなどの思惑とは別に、間違いなくロシア、中国、イラン、パキスタンなどの長期的な軍事、経済戦略のなかで安定化してゆく可能性が大である。 

 下の写真はパキスタン北部と中国の新疆ウイグルのカシュガルを結ぶ通称カラコルム・ハイウェーです。 ときどき舗装がはがれた部分がありますし、崖からの落石があるような場所もある。パキスタンのインド洋に面する部分は未開発であり一帯一路により整備が完了する。

青山貞一


2017年のフンザ渓谷とカラコルムハイウェー
出典 :Muhammad Muhyuddin グーグルストリートビュー 



フンザ渓谷とカラコルムハイウェー
出典 :masood mehboob グーグルストリートビュー


カラコルム・ハイウェイ (The Karakoram Highway: KKH)


フンザギャラリー1


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フンザ (トリップアドバイザー提供)


フンザ (トリップアドバイザー提供)


フンザ (トリップアドバイザー提供)


フンザ (トリップアドバイザー提供)


フンザ (トリップアドバイザー提供)


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フンザギャラリー2


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