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2年前の2006年3月、イタリアの北ミラノにあるセベソという小さなまちに現地調査ででかけた。セベソはいうまでもない。32年前に起きた農薬工場大爆発によって甚大なダイオキシン汚染が生じた場所だ。 私たちは2006年3月の現地調査をもとに、セベソの大事故をあらゆる角度から徹底的に調査研究した。 たまたま米国のダイオキシン研究者からもらった著作のなかで、カナダのトロント大学で社会学を専門とする教授が非常に興味深い「コラム」をその著作の中で書いていたのに偶然出食わしたのである。 その「コラム」がきっかけとなり、セベソ事故における工場風下におけるダイオキシン汚染の濃度分布に決定的な疑義を感じるようになった。私はある仮説を立て、この疑義を晴らすべく、ここ2年間、研究を行ってきたのである。 2008年2月19日〜2月27日、その研究成果をイタリアの環境研究者にぶつけ、議論することを目的に、イタリアのミラノを再度訪問した。 この私たちの研究成果については別途報告したい。 ※以下がその研究報告(日本語版) 2008.12.30掲載 ◆青山貞一・池田こみち:セベソのダイオキシン事故から30年・イタリア・EUはセベソから何を学んだか? 環境行政改革フォーラム研究発表会(2007年8月武蔵工大) 2008年2月のイタリア訪問では、のセベソ事故に関連する研究内容を現地で報告、それをもとにミラノで研究者と多面的に議論した。 .... ところでミラノに行く前、ローマに1日だけ立ち寄った。 そのローマで、一緒にイタリアに出かけた同僚がトンデモない盗難にあってしまった。ローマは、まさに聞きしにまさる泥棒天国であったのだ。 私たちがローマの地下鉄で盗難に遭ったあと、すぐにローマのテルミニ駅近くの警察に盗難届を出しに行った。すると、この警察に次々に盗難被害にあった日本人が入ってきたのである。これにはびっくりだ! ローマの地下鉄車内は盗難のメッカ!?テルミニ地下鉄駅入り口 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 警察にいた1時間足らずの間に、何と5人もの日本人が警察署に入ってきた。どうみても新婚旅行の若夫婦、学生などの日本人が。 帰国後、グーグルで「ローマの窃盗」を検索した。すると、地下鉄などで被害にあった日本人のコラムが沢山出てきたのである。いずれも私たちが被害にあったと推定される場所である。 グーグル検索のなかにある航空会社の国際線フライトアテンダントの話しがあった。読めば、彼女ら国際旅行のプロでも、ローマではカードや現金は鞄やポケットには入れずに、袋に入れインナーなどに入れると書いてあった。なるほど!! ということで、ローマに行く方々は、自分だけは大丈夫と考えず、十分注意して欲しい。おそらく、お上りさんの日本人は格好のカモなのだ。冗談ではなく、スリの手口はすごい。お上りさんの日本人は格好、絶好の餌食となっている。 ローマはまち全体が歴史地区の世界遺産だ。舞い上がっていると、鞄やポケットに入れた財布をすっかり抜かれてしまうことになる。イタリアの警察は、スリにあった日本人の方が悪いような対応であった。スキのある方が悪いといわんばかりである。 警察は、次々に盗難届の用紙を被害者にを差し出すだけだ。本来なら、警察は地下鉄の車中なりホームに警察官を配置すべきであるのに。 ..... ところで、今回のイタリア旅行では、ミラノで調査研究上の目的を果たした後、週末にかけ南イタリアに行き、アマルフィ海岸をレンタカーで行く予定であった。 、南イタリアでは、ソレントを基地としてアマルフィ海岸などにレンタカーで行くこととし、ホテル(B&B)もソレントにとっていた。 ミラノからナポリ空港につく直前、一気に天気が悪くなった。雨中、ナポリ空港でレンタカーセンターに行く。 ここでさらに愕然とすることに遭遇することになる。 何と、ナポリの空港にあるレンタカーセンターで車が借りれないのだ。理由は、ローマでカードを盗まれてしまったためだ。カードなしでは、車は貸さないと。 いつものダラーレンタカーものこのときばかりはダメ ナポリ空港のレンタカーせんたーにて 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 ユーロの現金で車を貸してくれと懇願する。しかし、6社あったレンタカー会社の担当者はそっけなくどこも車は貸してくれない。確かに万一の車の盗難や損害に備え、レンタカー会社はカードをもっていない旅行客には車は貸さないのだろう。 当初の予定が狂い、しばし呆然。 ナポリ空港で簡単な昼食をとった後、やっとのことで気を取り戻す。 ..... 何はともあれナポリからアマルフィ海岸行きの拠点でありB&Bがあるソレントまで行くことと決意する。 ソレントまでの交通手段を模索する。予定ならナポリからソレント、さらにアマルフィなどへレンタカーで行く予定だった。ソレントまでの交通手段は眼中になかったからだ。 ソレントまでは鉄道もあったが、ナポリ空港からソレントまで7ユーロで長距離バスがあったので、これに乗る。 小雨のナポリ市内。グルーミーな気分で長距離バスに乗る 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 ナポリ空港をバスで出発するころ、雨は本降りとなる。 ナポリからソレント半島の入り口までは、高速道路が日本並みの整備されていて混雑もなく突っ走る。その後、一転して海岸線の崖の上の一般道となるが、バスが相変わらず相当のスピードで走る。なぜか、イタリアのドライバーはバスにせよ乗用車にせよスピードを出すようだ。 バスの車窓からヴェスビオス山の山影がぼんやり見る。やっと南イタリアに来ていることを実感した。 雨中だが車窓からヴェスビオ火山の山影が見えた 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 ナポリ空港から一時間ちょいで、バスはソレント駅前に到着。 長距離バスの終着駅でもあるソレント駅 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 あとで分かったのだが、私たちが予約したB&Bは、ソレント(Sorrento)ではなく鉄道の駅で、ひとつナポリ側にあるサンタニェーロ(Sant’Angello)の駅から10分ほどナポリ湾近い住宅地にあった。 ソレント駅で長距離バスを降りたものの、夕闇は迫る。大きな荷物を持っている。再度、しばし呆然となる。 期を取り戻し、日本から持参したアバウトな地図を見るが、肝心なB&Bの場所がよく分からない。そこで駅前からタクシーに乗る。 ソレント半島。ソレントとサンタニェーロの位置関係 雨中、タクシーは古い石畳の道をサンタニェーロに戻った。 そしてB&Bの前でとまった。 タクシー料金は18ユーロ(3200円ほど)。ナポリからソレントまでのバス料金が約1300円なので、ずいぶん高いが、ここは疲れているので、文句を言う気力もなく、がまんする。 ソレントからサンタニェーロに向かって走った石畳の道は、何と古代ローマからつづく歴史、由緒あるイタリア街道(Corso Italia)であった。 サンタニェーロのB&Bは、下の写真にあるようにリーズナブルな割にはナポリ湾を臨むすばらしい眺望の立地にある。再度、気を取り戻して、翌日以降に期待する。 こうして、私たちの南イタリア紀行ははじまった。 宿泊したホテルの窓からナポリ湾側を見る 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 つづく |