シルクロードの今を征く Now on the Silk Road 大唐西市博物館 視察２ 大唐西市博物館に到着・入館 （Xi'an 中国） 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日：２０１5年１月22日 更新：２０１９年４月～６月 更新：２０２０年４月１日 独立系メディア Ｅ－ｗａｖｅ Tokyo 無断転載禁 |
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遊路起点盛世商魂は、「大唐西市はシルクロードの起点のまちであり、商魂たくましいまち」とでも意訳したいと思います。西安大唐西市の民間博物館の創設精神が伝わってきます。事実、シルクロードは、文化交流とともに商業交易の重要な道です。  撮影：青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下はジオラマです。東(右）には日本もあります。中国全土、東南アジア諸国、中央アジア諸国、西アジア、中東、果ては西(右）はバルカン半島からイタリアが見えます。  撮影：青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下を見ると、大唐西市の西市は、シルクロードの起点であり、西安城壁の安定門（西門）に近いこともあり、この辺り一帯は、唐の昔から西市として栄え、シルクロードを通じ欧州までの地域や国に生糸はじめさまざまな文物を送り出す拠点でもあったのでしょう。 とはいえ、その距離はイタリアのヴェネツィアまでとして、９０００ｋｍ以上あります。しかも、徒歩か精々、馬、ラクダ、ロバしか交通手段がない時代、さらに新疆ウイグル自治区の西端からサマルカンドの間にはパミール高原やタジキスタンの標高３６００ｍ～７４００ｍもの山脈が壁になって横たわっています。 その意味で、唐の時代、シルクロードを行き交うのは、商人による交易とはいえ、まさに命がけだったことがよく分かります。  撮影：池田こみち Nikon Coolpix S9900 博物館の床には西安の西市から同心円状に中国西域の諸都市（地域）の位置が以下の図のように示されていました。 図には新疆ウイグル自治区の「高昌」、「喀什（カシュガル）」、「和田（ホータン）」等の地名がみられます。  撮影：池田こみち Nikon Coolpix S9900  撮影：青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下はこの博物館を創館するまでの過程が写真と文で掲示されていました。 ちなみに、この詳細は、博物館を出る際、受付の女性に伺ったところ、詳細な図書を頂きました。また訳していませんが、博物館の創始者は同時に、西市の商業や社会起業家（Social Entrepreneur)であることがわかりました。  撮影：青山貞一 Nikon Coolpix S9900 以下は、大唐西市博物館創立の背景、博物館の展示内容などについてのガイダンスです。 ◆大唐西市場博物館（Tang West Market Museum） UNESCO 大唐西市場博物館は、唐の時代、長安市の西市場の敷地内に設立された中国で最初の民間博物館です。博物館の総面積は15畝（面積163エーカー＝約66万㎡）で、建設面積は32,000㎡、展示面積は8,000㎡、その中には2,500㎡の現地での保存エリアが含まれます。 合計20,000点以上の収蔵品には、さまざまな文化遺物が含まれており、主に西市場の遺跡から選ばれた文化遺物が展示されています。 展示されている遺物は、商王朝から周王朝、明王朝、清王朝に至るまでの約3,000年の長い歴史をカバーしています。このコレクションには、雅やかで神秘的な青銅器、華麗で色彩豊かな陶器、陶器製の像や置物、金や銀の華麗な器、豪華で繊細な絹の遺物、素晴らしい工芸技術を示す玉の数々、そして貨幣のような多くの遺品とともに、碑文、宗教、建築など様々な文物の遺品が含まれています。これらは広々とした博物館を満たし、すばらしい展示を優位なものとしています。 大唐西市場博物館には、「常設展示、テーマ展示、企画展示、特別展示と宝鑑定クラブ」などの完璧な展示体系が整えられています。この展示は、個人の収集家から提供された歴史、芸術、民俗に関するコレクションを収集しており、来訪者にその都度、新しい視覚体験を提供しています。 壮大でユニークなデザイン、美しい環境、高度な機能と一流のサービスを備えた博物館は、間違いなく成功した重要な建築物であり、地域のランドマークになっています。まさに、人々に愛される場所であり、世界に開かれた都市、西安の主要な窓となっています。 博物館は、文化産業を代表する称号である国立4A観光リゾートと、国立第2レベル博物館のタイトルを授与されました。 大唐西市場博物館は、西安市の重要な文化および観光プロジェクトであり、訪問者は絹と唐の商業文化を知ることができます。 また、人々にとって、研究し、交流し、情報を収集するための重要な場所であると同時に、社会教育の機会を提供し、古代首都としての奥深い歴史と広範な文明をよりよく理解することができます。 博物館の「シルクロードの出発点（起点）」という基本的な展示は、唐西市場の北西にある交差点の現場から取り出されたものですが、ここでは（博物館ではの意）、この現場から発掘されたいくつかの文化的遺産を紹介し、様々な交易の分野や経済的な繁栄について示しています。具体的には；テーマ展示「シルクロードの体験」では、古代のシルクロードに存在していたいくつかの伝統的な職人技を紹介しています。 三階の企画展示室は、西市場博物館の一時的な展示のプラットフォームであり、シルクロードの文化、唐時代の商業文化など、様々なテーマで展示を行う機会を提供しています。特別展示では、碑文や優れた作品が展示され、文化的遺物の妙味を評価しやすくするとともに、歴史をより深く洞察することを可能にしています。 視察３へつづく |