シルクロードの今を征く Now on the Silk Road イラン・世界遺産10 シューシュタルの歴史的水利施設 (2009年) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
総合メニュー(西アジア) イランの世界遺産 世界遺産1 世界遺産2 世界遺産3 世界遺産4 世界遺産5 世界遺産6 世界遺産7 世界遺産8 世界遺産9 世界遺産10 世界遺産11 世界遺産12 世界遺産13 世界遺産14 世界遺産15 世界遺産16 世界遺産17 世界遺産18 世界遺産19 世界遺産20 世界遺産21 世界遺産22 世界遺産23 次はイランの世界遺産10です。 ◆イランの世界遺産10 シューシュタルの歴史的水利施設 (2009年) 出典:Wikipedia 出典:Wikipedia シューシュタルの歴史的水利施設 (2009年) Ali Afghah - [1], パブリック・ドメイン, リンクによる Source:Wikimedia Commons 概要 シューシュタル (شوشتر) は、イラン・フーゼスターン州にある古代以来の要塞都市です。州都アフヴァーズより約 92 km 離れたところに位置しており、2005年現在の人口は約9万人です。 歴史 水利施設の建設と繁栄、衰退まで シューシュタルは、アケメネス朝時代には Šurkutir と呼ばれていました。この名前は、アケメネス朝の首都であったスーサにも関連しており、スーサよりも立派な都市を意味します。 サーサーン朝時代になると、シューシュタルはカルン川 (en) に浮かぶ中州となり、サーサーン朝における夏の首都に選ばれました。 カルン川は、シューシュタルを囲む堀の役割を果たし、東・西・南の三方にシューシュタルの町へ渡ることが可能な橋がかけられました。シューシュタルのそばを流れる幾筋の河川がシューシュタル周辺の農業の発展に貢献しました。そこでは、サトウキビや主要農産物が生産されました。 サーサーン朝のシャーであるシャープール1世は、ローマ帝国皇帝ウァレリアヌスを打ち破った際に、ローマ人捕虜を用いて、カエサルの橋と呼ばれる 550 m の長さに及ぶ巨大な橋梁・ダムを建設させています。 シューシュタルの周辺に張り巡らされた水利網を Ghanat と呼び、河川とため池や建物とを結び、シューシュタルの町に水を供給しました。戦時には、シューシュタルの城門は閉じられました。これらの Ghanat 群は、今日でも、シューシュタルの地下室でも見受けられます。 19世紀になると、シューシュタルの水利施設は存亡の危機に立たされました。結果として、19世紀以降、シューシュタルは衰退の一途をたどり、1973年にモハンマド・レザー・パフラヴィーがシューシュタルの再建に動くまで、衰退が続くこととなりました。 1973年以降 1973年、パフラヴィー朝は、19世紀以降、水利施設が荒廃していたシューシュタルの再建に乗り出しました。 塔、ダム、橋などで構成され、カールーン川のギャルギャル運河とシャティート運河の2つの主要な運河を含み、ギャルギャル運河は製粉場に通じるトンネルを経由して、現在もシューシュタル市に水を供給し、フーゼスターン州における農業を振興させました。 カルン農業産業会社 (Karun Agro-Industries Corporation) によって、シューシュタル旧市街の対岸にシューシュタル・ニュータウンと呼ばれる町が建設されました。シューシュタル・ニュータウンの建設によって、シューシュタルにおける砂糖産業に従事している労働者の住居を提供する一方で、シューシュタル旧市街の再生に関心を持たせると同時にこの地方の経済発展を目指していました。 2009年、シューシュタルの水利施設はUNESCO の世界遺産に「シューシュタルの歴史的水利施設」として登録されました。 ◆写真ギャララリー シュシター (トリップアドバイザー提供) シュシター (トリップアドバイザー提供) シュシター (トリップアドバイザー提供) シュシター (トリップアドバイザー提供) シュシター (トリップアドバイザー提供) ◆シューシュタルの歴史的水利施設の世界遺産への登録基準 この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用)。 (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。 (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。 (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。 世界遺産11へつづく |