シルクロードの今を征く Now on the Silk Road イラン・世界遺産19 ![]() 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
総合メニュー(西アジア) イランの世界遺産 世界遺産1 世界遺産2 世界遺産3 世界遺産4 世界遺産5 世界遺産6 世界遺産7 世界遺産8 世界遺産9 世界遺産10 世界遺産11 世界遺産12 世界遺産13 世界遺産14 世界遺産15 世界遺産16 世界遺産17 世界遺産18 世界遺産19 世界遺産20 世界遺産21 世界遺産22 世界遺産23 次はイランの世界遺産19です。 ◆イランの世界遺産19 メイマンドの文化的景観 (2015年) ![]() 出典Wikipdia ![]() メイマンドの文化的景観の位置 出典:グーグルマップ ![]() Maymand village, a village in Shahr-e Babak County of Kerman Province. SM MIRHOSSEINI - https://web.archive.org/web/20161020033648/http://www.panoramio.com/photo/63978889, CC 表示 3.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons 概要 メイマンド (ペルシア語: ميمند, ラテン文字転写Maymand, Meimand, Maimand)は、イランのケルマーン州 シャフレ・バーバク郡(英語版)に属する行政村(デヘスターン)およびそこに含まれる村(デフ)の名前です。 36の村が属するメイマンド行政村 (Meymand Rural District, ペルシア語: دهستان ميمند) には、2006年の国勢調査では536世帯2,175人が暮らしており、そのうち、メイマンド村には181世帯673人が暮らしています。 メイマンド村は伝統的な移住農牧業が営まれている村落で、その文化的景観がUNESCOの世界遺産リストに登録されました。 マイマンドとも表記されまする。なお、以下「メイマンド」と呼ぶときは、行政村(デヘスターン)でなく村(デフ)の方を指します。 歴史 メイマンドは季節性の移住生活を営む半遊牧民たちが暮らし、冬場には岩場を掘った岩窟住居で過ごしています。地元の言語には、古代のパフラヴィー語などに由来する語彙が多く含まれます。 ケルマーン州のシャフレ・バーバク市近くに位置するこの村落の歴史は非常に古く、12,000年前にイラン高原で最初に人々が定住した地と言われることもあります。しかし、国際記念物遺跡会議 (ICOMOS) はこの主張に否定的で、数少ない物証のひとつとされる岩絵にしても、紀元前6千年紀までしか遡れないと指摘しています。また、岩絵を描いた人々と、岩窟住居で暮らしていた人々との関係性も解明されていません。 岩窟住居群の起源については、いくつもの説があり、Siamak Hashemi は以下の2つの仮説を示しています。 まず、この村がアーリア人によって、紀元前800年から700年頃、すなわちメディア王国の時代に建設されたというものです。メイマンドの断崖の構造物は宗教目的で建造された可能性があります。ミスラ神の崇拝者たちは太陽を無敵の存在と信じており、この観念が彼らに山々を神聖視させることへと導きました。ゆえにメイマンドの石切り職人や建築家は、彼らの信仰をその住居の建設の形で示したのです 第2の仮説では、村落は西暦2ないし3世紀に遡ることになります。アルサケス朝時代、南ケルマーンの諸民族は、めいめいの方向へと移住しました。これらの民族は生活に適した土地を見つけ、そこに定住し、隠れ場所を築きました。それらがついには現存する住居群へと発展しました。村の近くにあるメイマンドの要塞と呼ばれる場所からは、サーサーン朝時代の骨壷150個以上が発見されており、こちらの仮説を補強しています。 ほかにも村落の墓所からの推測として、イスラームの伝播以降の形成という説などもあリマスが、結局のところ、はっきりとした起源の特定には至っていません]。 洞窟住居は全部で400ほどが残されていますが、今も利用されているのはそのうち100に満たず、伝統的半遊牧生活は継承に対する懸念が存在しています。 ◆写真ギャラリー ![]() 2017 in Iran (photographed by Wojciech Kocot) Wojciech Kocot - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons ![]() 2017 in Iran (photographed by Wojciech Kocot) Wojciech Kocot - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons ![]() 2017 in Iran (photographed by Wojciech Kocot) Wojciech Kocot - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons ![]() 2017 in Iran (photographed by Wojciech Kocot) Wojciech Kocot - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons ◆メイマンドの文化的景観の世界遺産への登録基準 この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用)。 (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。 世界遺産委員会はこの基準の適用理由を「大きな渓谷に位置する主として自給自足型の小さな共同体であるメイマンドの文化的景観は、乾燥した砂漠環境における伝統的な3期制の季節移動システムを反映しており、そこには独特の冬用の洞窟住居も含まれる。それは、かつてはより広い範囲に存在していたと考えられているシステムの好例であり、洞窟住居も含む3つの決まった居住区域へと家畜よりもむしろ人々が移動することを伴っている」とした 世界遺産20へつづく |