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崖上の下落合マンション
完成直前「建築確認」取消
F現在の現場(2016年2月)

青山貞一
Teiichi Aoyama池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2016年2月12日
 独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁

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◆現場の現在(現状2016年2月10日)

 東京都新宿区下落合4丁目の崖の上のマンションは、2009年に最高裁により「建築確認」が正式に取り消されました。

 2009年に建築確認が取り消され、係争中も工事を行ってきたマンション業者ですが、その時点で工事を中断し、グーグルアースの航空写真で確認すると、現在に至るまで中断時点のままとなっていました。

 そこで、ぜひとも現場を視察しようと、2016年2月10日の夕方、青山貞一、池田こみちは、環境総合研究所がある目黒区大岡山から車で現地に直行しました。現地とその周辺は、上述のように非常に複雑な地形となっております。マンションはその最上段にあります。

 私達は薬王院の山門近く、また「野鳥の森公園」の入口近くにあった有料駐車場に車を駐め、「野鳥の森公園」を一通り視察した後、幅員が3mもない狭い幅の道を上りマンションの建設現場に向かいました。マンションはもともと建築物の高さが10m以下の第一種低層住居専用地域に建築されており、3階建て高さは最高でも地表から10mであり、周辺からはよく見えません。

 下はマンション建築現場に通ずる入口の写真です。左側のアコーデオンの扉の奥のかなり先にマンションの工事現場あります。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-2-10

 下の写真はグーグルマップのストリートビューのものですが、ほとんど上の写真と変わりません。


建設現場(マンション敷地)への入口
出典:グーグルマップ ストリートビュー

 マンションは、この入口から敷地内の狭い道路を通り、東側に行ったところにあります。2009年に建築確認が取り消された主な理由は、敷地が建築基準法に定められた最小の幅員に達しない4m程度の道路(私道)しかない、いわば袋小路の先にあったことです。

 東京都新宿区は敷地内の幅員4mの道路(私道)を8mに拡幅することで建築確認を承認しました。しかし、住民側は道路に面していない違法建築であるとして、建築審査会に審査請求をおこなうとともに、東京地裁に訴えたのです。


参考:朝日新聞

 下は衛星画像をベースに概ね敷地境界線を赤色で入れた図です。敷地境界線は正確なものではありませんが、概ねこのようになるはずです。マンションは完全に袋小路のなかにあるだけでなく、東側、南側は崖、西側も急傾斜地となっています。

 よくもまぁ、このような袋小路にマンションを建築したものだと思うとともに、法、条例以前にこのような敷地、立地に対し建築確認を下した東京都新宿区には驚きの念を隠せません! 地震、大火事、大降雨による崖崩れなどを想定しただけで恐ろしくなります。そもそも、消防車もほとんど入れない場所です。


出典:グーグルアースの写真履歴

 以下は敷地の主要地点の標高です・


出典:ヤフーマップ

 下が測定結果です。敷地は入口が約36.7m、南西側が約34mとなっています。


標高測定結果   出典:ヤフーマップ

 私達は何度となく「野鳥の森公園」からマンション近くの坂道、階段などを登り降りし、また東側にある大きなマンション(これも3階建て)の東側にあるやはり幅員が狭い道路を使い、接近を試みましたが、結局、問題のマンションには到達できませんでした。到達できないばかりか、遠くから写真を撮影するのも無理でした。

 試行錯誤しているうちに、件のマンションを敷地外から至近で写真撮影する場所を見つけることができました。下の写真にある坂の右側にマンションの現場があります。この右側に入る小さな通路から何とか写真が撮れました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-2-10

 建築中止から7年近く経った今も足場のコンジェットパイプが残っています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-2-10


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-2-10

 隣接する民家(右側)とは至近距離です。


池田 スマホ URBANO(京セラ)



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-2-10



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-2-10


つづく