|
|
Table of Contents
後日見せられたレントゲン写真(後に貼り付けます)を見ると、いかにすごい手術であったかが分かった。何しろ頸椎周辺には脊髄、末梢神経系、動脈、静脈などが上下に通っており、筋肉を切って頸椎に到達しても、それらに傷をつけることなく外科手術するのはどうみても容易ではないからだ。 幸い、脊髄、末梢神経系、動脈、静脈などを傷つけることなく手術の目的を果たすことができた。 その後、全画像を病院から提供してもらうことになったので、その時点で報告したい! 国内最高峰の脳神経外科の人材と設備をもつ慈恵医大でも、同じような手術は年に数例しかないとのことだ。なぜか? その理由は、分かりやすい。 すなわち第二頸椎を骨折した場合、通常、後を走る脊髄の神経を遮断したり、破壊することで、大部分は死亡に至るか、生き残っても下半身不随となるからだそうだ。死ぬか下半身不随となるからいずれも手術は不可能なのだ。 その意味で、私は運良く「九死に一生」どころか「九十九死に一生」を得たわけだ。 しかし、折れ陥没した第二頸椎を放置することは非常にリスキーということで、主治医に何度も説明を受けた後、上述の手術をすることになった。もし、手術をしないで直すとなると下の写真にあるようなハローベストを3ヶ月から半年弱、常時装着し完全安静しなければならないという。 手術しないで直すとなるとこんなベストを3〜半年 装着しなければならなくなる 出典:ハローベスト資料写真 交通事故などの場合は、手術は入院してすぐか2、3日中後に行うのだが、私は持病の気管支喘息がこの季節悪化しており、呼吸機能も普通のひとの半分もないことが事前検査で分かり、救急、手術前に呼吸器系の強化、全身麻酔に耐えうる体作りに約1週間時間を費やすことになった。 下は検査時点からリハビリ時に首に装着している簡易ギブス(=カラー)である。米国大リーガーも使っているとのこと。ただし私のSmallである。 前と後から押し当てマジックテープで固定する。これを付けていれば外出もOKとのこと! 首に装着する簡易ギブス(=カラー) 下は装着イメージである。 装着イメージ このギブス(=英語ではカラー)を慈恵医大部族病院脳神経外科で初日(11月11日)午前中に装着させられ、以降、退院後1ヶ月間装着することを義務づけられた。 ただし、シャワーを浴びたりシャンプーするときは脱着してもよいことになっている。また肌に当たる部分は汗などで汚れたり臭くなるので、スペアーのスポンジを使い定期的交換している。 私が使っているのはスモールサイズである。カラーには健康保険が適用されるが、される前の価格は24,720円であった。提供しているのは東京都品川区北品川にあるエヌ・オー・ティー株式会社である。 下は装着し頸部を固定化している模様をコンピュータグラフィックスで示したものである。就寝時も着用を義務づけられる。 慣れれば当然、頭を上下左右に動かすのは限度があるが、にそれほど違和感はなく、安心感がある。 出典:http://video.about.com/backandneck/Back-Neck-Braces.htm 出典:http://video.about.com/backandneck/Back-Neck-Braces.htm 出典:http://video.about.com/backandneck/Back-Neck-Braces.htm 2010年11月26日昼、抜糸が行われた。下の写真は抜糸後の首筋である。上下に12cmほどの切開傷があることが分かる。こんな位置を縦に12cm切開したのかと思うと戦慄が走る。 頸椎手術跡 撮影:鷹取敦、2010.11.26 夜8時 現在はこんな感じ。さらに2kg痩せました! 慈恵医大病院にて 撮影:2010.11.26 夜9時 一方、階段から落下して以来、現在まで程度の差こそあれ続いているのが、いわゆる後頭神経痛である。この後頭神経痛は、急に耳の後ろや後頭部が「キリキリ」と痛くなる頭痛だが、後頭部全体が痛くなることもある。さらに首の付け根から突き上げられるように痛みが上がる首痛である。 出典:頭痛の診察手技 後頭神経痛は、頭の皮の神経痛で、後頭神経は、頚椎2番(C2)、頚椎3番(C3)から走行する神経である。 大後頭神経は、後頭部へ走行し、後頭部に頭痛や触診で痛みを感じるが、この部分が痛むと、大後頭神経痛となるという。小後頭神経は、側頭部で耳の後ろへ走行し、耳の横か上に痛みを感じます。この部分が痛むと、小後頭神経痛である。 私の場合、落下当初から1週間は髪の毛にクシを入れるだけでピリピリと痛みが走ったが、現在、その種の後頭神経痛はダイブ治まったが、首の付け根から突き上げられるような鈍痛が残っている。 今後のリハビリで何とかこの後頭神経痛や大後頭神経痛を軽減させてゆきたい。 ★退院のお知らせ(青山貞一) ★退院後初の検診(青山貞一) つづく |