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入院中IDがつけられすべての検査、手術、治療はこれをもとに行われた。 慈恵医科大学付属病院の患者ID 今回の入院では、手術前の1週間は、@全身麻酔で手術に耐えうる体力づくり、A術後は切開した首と腰の傷口への対応、B手術から1週間後の抜糸、C手術後の第一、第二頸椎の確認、D退院後に向けソフトランディングさせることなどが行われた。 上記@〜Dは、CT,MRI撮影や呼吸機能検査以外は、個室において行われた。 毎日、朝、昼、夕、夜に継続的に検査を行うことで、それぞれの値がどう推移しているかを把握する。得られた定量データから脳神経外科医、麻酔医、呼吸器専門医、生活習慣病専門医らが評価し、最終的に退院時期を判断したことになる。 下は外来検査から入院、CT/MRI検査、手術、抜糸、退院の期日である。
今回の入院、検査、手術における痛みについて触れておこう。 落下、骨折によって首筋に激痛が走り、後頭部に末梢神経の痛みが発生したのは当然だが、手術後の痛みは鈍痛があるものの、鎮痛剤を使うような痛みはほとんどなかった。抜糸もまったく痛くなかった。 他方、もっとも厳しかったのは、手術前のCTやMRI検査で体を検査用ベッドに横たえる際、どうしても首筋の患部に応力がかかるのでその都度、痛みが走った。もちろん、ギブスをはめた状態での痛みある。対策としては、検査技師、看護師らにお願いし、ゆっくり検査用ベッドに移してもらった。 その他の痛みとしては、手術後、集中治療室でAライン(動脈)、末梢神経ライン、小水を排水する管など10本ほどのチューブを抜く際に痛みがあった。とくに小水排出用管を抜くのは一瞬とはいえ激痛が走った。その後、3回ほどのオシッコでも激痛が走ったが、4回目からは全く痛みはなくなった。 ちなみに私は用意されていた鎮痛剤は一錠も使用しなかった。痛みはかなり個人差があるようだ。 個室病室内で毎日行われた検査は以下の通りである。
上記の毎日病室で行われる検査のうち血糖値の測定は、その都度、耳や腕に傷を付け、そこから採取した血液をもとに測定してたのだが、血糖値は測定する時間によって著しく変化する。 したがって、計る時間によって血糖値は大きく変わるはずである。血糖値測定は朝食前、昼食前、夕食前の3回に上記のように耳たぶや腕を切って血を採取して行うのだが、患者にとってはこれが結構しんどいのである。18日間×3回=54回も行うからである。 朝食前は翌日夕方以降、水以外なにも接種しないので、おおよそ90-110mg/dlの範囲に入るが、昼食と夕食前の測定では、4時間ほど前に食事をとり、場合により見舞でいただいた菓子などを食べていることもあり、200〜280mg/dlにもなる。 図示すると以下のようになる。 出典:http://ucheck.jp/pphg/index.html したがって、60回近く耳や腕に傷をいれ血を採取して測定しても、あくまでピンポイントの測定にしかならない。 実は2009年10月末、日本でも血糖値を連続モニタリング可能なシステムである持続血糖モニター(CGM)が承認されている。今のところ保険適用はないが、これを使えば、上図のように連続し一定時間間隔で血糖値が自動計測され、ロガーにデータが蓄積される。入院中これを装着していれば、相当きめの細かなデータが得られ診断に大いに役立つはずだし、60回近く耳たぶに傷をつける必要もなくなる。 血糖値連続モニタリンス・ロギングシステム CGM 出典:http://dm-rg.net/news/2009/11/002204.html 実際、日刊ゲンダイの記事によると、このCGMに詳しい東京慈恵会医科大学の糖尿病・代謝・内分泌内科の西村講師が「糖尿病患者はこれまで刻々と変わる血糖値を把握するため、血糖自己測定(SMBG)を行ってきました。しかし、この方法では1日2〜4回の測定がせいぜい。血糖値の変動が激しいひとは、その実態を把握できませんでした。ところが、今回承認されたCGMは、血糖値を5分ごとに1日288回測定し、連続して72時間モニターできます。これによりこれまで見過ごされてきた問題点を把握できるようになります」と述べている。 まさにその通りである。しかし、その慈恵医科大学病院では、依然として従来型が使用されており、痛みを伴うなど患者の負担も大きい。 記事では、たとえばある50代の男性は、朝食後に血糖値が300mg/dlを超え、昼食後には100mg/dl以下に急降下。昼食後は再び急上昇していることが判明した。しかも、睡眠中の午前1時から5時頃は70mg/dl以下の低血糖になっており自覚症状もなかった、などきわめて重要なデータが得られていると報じている。 しかも、CGMの操作は至って簡単。腕かお腹(上の写真参照)に専用の器具を刺し、血管の周辺の間質液中のグルコース濃度を連続測定する。データをパソコンに移し解析する。ただし、CGMの測定値は、静脈でのグルコース濃度を測定する血糖値とは異なるので、SMBG(1日4回程度)の測定値を利用し、補正しなければならないというわけだ。 今後は保険対象とするとともに、ぜひ患者の負担が少なく、多くの貴重なデータが得られるこの方法に替えてもらいたいものである。 次ぎに個室病室でのデーリーの治療・点滴・薬剤投入は以下の通りである。
病院の食事はどこでも無味乾燥、ひとことで言えば<エサ>などと悪評プンプンだが、慈恵医大病院でもそれは同じだった。特にひどいのは朝食、パン2切れ、パック牛乳、ドレッシングがないキャベツなどのサラダなど。パンには申し訳程度のジャムがつく。 一番、疑問に感じたのは、看護師さんに聞けば、1000名に及ぶ入院患者に共通のメニューとのことだ。そもそもカロリーにしても塩分にしても、ひとは体重によって必要となる基礎カロリーは異なるはずだし、BMIも体重と身長から割り出す。 体重80kgのひとと私のように52−55kgの人間では基礎カロリーはまったく異なる。にもかかわらず、入院18日のうち、一度も体重測定はなかった。びっくりである。 医師にも何度も伝えたが、たとえばTDIやADIなどは、すべて1日の間に体内に摂取された薬なり有害物質を体重で割った上の指標である。体重に関わりなく同じ量の食事を出すこと自体??である。 またここ数年、生活習慣病にならないよう食べ物には相当注意してきたが、配膳される食事をみるとどう見ても、生活習慣病との関連で日常的に食べてはいけない、あるいは食べない方がよいものがでてくる。これについても医師に伝えたが??である。 以下は検査、入院、手術、抜糸、退院までの全記録(エクセルで記録)である。表では、上記に加え、午前中の回診、病室の清掃、ベッドメーキング、朝・昼・夕の食事、お茶、面会、主治医、専門医との議論なども含まれている。 表中、真ん中の赤い部分が手術、その右隣の緑の部分が集中治療室である。 |
2010年11月9日に自宅の階段から転倒、落下し、外来で検査、診断を受け、その後11月11日から11月30日まで入院の全詳細記録
出典:青山貞一