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<論考>九十九死に一生

頸椎骨折手術Informed Consent全記録

J退院後初の検診

青山貞一
Teiichi Aoyama

掲載月日:2010年12月13日
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁
Table of Contents

◆退院後初の検診

 早いもので退院後2週間がたった。2010年12月13日退院後初の検診を受けた。 あらかじめ10:00に予約が入っているので妻の運転する車で港区西新橋(御成門)にある慈恵医科大学付属病院の地下一階にある脳神経外科に午前9:45に外来で行く。


慈恵医科大学付属病院入口


慈恵医科大学付属病院の地下一階にある脳神経外科外来

 手術を執刀した脳神経外科の大橋洋輝医師が手術した箇所でずれがないかを詳細にチェックするための検査である。

 10:15、脳神経外科の外来室に入る。

 問診後、術部全体の構造をチェックするためにレントゲン撮影を行った。外来のX線室は外来棟の1階にある。今回はそれほど待つことなく、頸椎部のレントゲン撮影を行う。正面及び側面の2枚を撮影した。


外来のレントゲン撮影室の入口にあるレントゲン発明者の胸像
X線はドイツのヴィルヘルム・レントゲンが1895年11月8日に発見

 下は側面の写真である。見て分かるように、頸椎に6本のチタン合金のスクリュー(ネジ)とバー(棒)がはっきり写っている。


手術後の頸椎レントゲン写真(2010/12/13)
出典:東京慈恵会医科大学付属病院脳神経外科

 下はチタンのスクリュー。さまざまな長さ、口径がある。



 このようなレントゲン写真は術後、一度撮影したが、論考に掲載するのは今回が初めてである。よくもまぁ、首にこんな異様な形、構造をした金属を埋め込んだものである。

 上の長い2本のスクリューが第一頸椎に、下の短いスクリューが第二頸椎にネジとして固定化され、両者の間を2本のバーで接続している。第一頸椎と第二頸椎の間に腰から移植した骨をサンドウィッチのように挟んでいる。

 医師は術後すぐに撮影した頸椎のレントゲン写真と今回撮影したレントゲン写真を見比べ、ずれがないことを確認した。

 左側が術後すぐに撮影した写真、右側は退院後初の検診で撮影した写真である。


左側が術後すぐに撮影した写真、右側は今回の検診で撮影した写真

 大橋医師に、今後、飛行機に搭乗する際のセキュリティ・チェックのレントゲン撮影で引っかからないように、というか、引っかかった場合にすぐに説明できるよう、レントゲン写真をデジカメで撮影したいと伝え、了承を得る。

 上の写真を見ると、金属部分が右側にせせり出ており、素人見には首の後側にぶつかるのではないかと思われる。しかし、頸椎は首の前側に位置しており、頸椎の背後には脊髄が通る穴というか輪っかがあり、その後には膨大な筋肉が首の後側まで上下に走っていて、金属部分はその筋肉の内側に隠れるとのことである。

 下は頸椎をとりまく筋肉の模型である。右側の赤い上下に走っているのが筋肉であり、左側の透明がかった紫色の頸椎のかなり後がわに位置していることがよく分かる。金属の構造物は、頸椎と筋肉の間に挟まれるので、けっして首の外側にせせり出ることはない(医師談)とのことである。


頸椎を取り巻き上下に縦断する筋肉
出典:http://video.about.com/backandneck/Cervical-Spine-Anatomy.htm

 次の検診は、首筋の切開部分の傷口である。

 首の後、後頭部下に約10cmある傷口の一部が化膿しているとのことで、化膿し瘡蓋(かさぶた)ができている箇所を殺菌後整序した。これに結構時間がかかった。

 経口と軟膏の抗生剤を処方してくれ、経口の抗生剤を定期的に摂取し、毎日風呂上がりに患部を殺菌後、軟膏の抗生剤をすり込むように指示してくれた。

 大橋医師は、術後順調に推移しているので、歩行時などを除いてデスクワーク、食事、風呂などでカラー(ギブス)を外していてもよいと言われる。とはいえ当面、とりあえず今月(12月)一杯は原則カラーをつけるとする。

 本日、主執刀医から頸椎部分のレントゲン撮影画像の提供を受けた。今後、空港などのセキュリティ・チェックに対応するためである。

 12時近くにすべてが終了したので、中央棟の玄関先にある高木会館地下1階にある日本そば屋で「天もり」を食べ一旦帰宅し、その後、妻の運転で横浜市都筑区にある大学の研究室に向かった。

 今日の保険診療の支払額は@再診料、A投薬、Bレントゲン撮影で1225円であった。下は外来棟1階にある会計窓口である。なお、抗生剤(経口、軟膏)は処方箋をもらい、自宅そばの薬局で購入した。


東京慈恵会医科大学付属病院会計窓口

つづく