江戸・南品川短訪⑨ 品川歴史館-庭園・茶室・書院2 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2019年10月20月 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
総合目次 ①品川歴史館 ②品川宿 ③中世の品川 ④中世の寺院 天妙国寺1 ⑤中世の寺院 天妙国寺2 ⑥中世の寺院 天妙国寺3 ⑦品川の生活と文化 ⑧庭園・茶室・書院1 ⑨庭園・茶室・書院2 ⑩庭園・茶室・書院3 ⑪今の天妙国寺を視察 ⑫天妙国寺の庭園と茶室 ⑬天妙国寺の歴史・寺宝 ⑭鈴ヶ森刑場跡1 ⑮鈴ヶ森刑場跡2 ⑯鈴ヶ森刑場跡3 ⑰鈴森山大経寺 ⑱旧東海道品川宿まち歩き ⑲<参考>安田善次郎 ◆庭園・茶室・書院2-茶室 品川歴史館の茶室 松滴庵(しょうてきあん) 「松滴庵」は昭和初期に建てられた茶室で、品川歴史館の敷地にかつて存在した安田善助邸の頃からの建物です。「松滴庵」の周りに広がる日本庭園には、四季折々の草木が、やすらぎのひとときを提供しています。 <茶室 松滴庵(しょうてきあん)> 松滴庵は、昭和2~3年頃、ここに居住していた安田財閥の安田善助氏が邸宅内に六窓庵(現在の東京国立博物館内の茶室)を手本にして建てた茶室です。 松滴庵は、高橋是清、藤原銀次郎、根津嘉一郎など戦前の政財界の著名人を招いて茶会が開催されたと言われています。その後、邸宅は(株)電通の吉田秀雄氏に引き継がれました。昭和60年(1985)の品川歴史観の開設にあたり、歴史的に貴重な茶室をそのままの形で残しました。 現在では、隣接の書院とともに茶会で多くの方々にご利用をいただいています。なお、書院は、邸宅の母屋の広間をできる限り、もとの材料を再利用して建てられています。 出典:品川歴史館 以下は庭園における茶室「松滴庵(しょうてきあん)」の位置を示しています。右下にあるのが松滴庵です。 出典:入場時にいただいたパンフ この茶室は普段は公開されていません。私たちもお庭から外観を見ただけですので、内部については、公開されているWebサイトから概要を紹介します。 毎年5月18日の博物館の日、5月19日の開館記念日の前後および11月3日の文化の日には、茶室を一般公開しています。(雨天中止)老朽化が進んでおり、現在は、施設の利用は見合わせているとのことです。 間取りは、2畳中板、3畳、4畳半、水屋となっています。 出典:品川歴史館 茶室「松滴庵(しょうてきあん)」公開 2016年5月19日 松滴庵の間取り図については、品川歴史館が発刊している以下の品川歴史観紀要 第31号 平成28年 (2016)3月にあり、1000円で配布しているので、そちらをご購入されご覧ください。 品川歴史観紀要 第31号 平成28年 (2016)3月 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/jigyo/06/historyhp/pub/pub_kiyou.html 内容 品川区立品川歴史館「松滴庵」の平面と意匠 小沢朝江 松滴庵の間取り図 出典:品川歴史館 以下は、茶室の間取りなどについての説明です。 品川歴史館内に現存する「松滴庵」は昭和初期に安田財閥の安田善助氏(安田善次郎の甥にあたる)の屋敷内に作られ、没後は財団法人吉田秀雄記念館さらには品川区に移管されてきました。 建物は、二畳中板。つまり點前畳一畳に客畳一畳、點前畳と客畳の間に一尺五寸の中板を入れています。炉は入炉、つまり、點前畳の中に炉を切り、向切り、すなわち畳の向こうの右半分を切っています。(ちなみに左半分を切った炉を隅炉という)。 -中略- 「松滴庵」の床の横壁が片方斜めになっている。これが実寸でやや奥行きがたらない床の深みを補足している。点前畳と客畳みをややずらしているのも工夫の一つだ。主客の連絡を付ける中板はその両端まで伸びている。向切りには炉の向こうに板を入れるのが常套だがここでは畳をずらした結果であろうか、省略されている。 出典:品川歴史館「松滴庵」の間取りについて http://www7a.biglobe.ne.jp/~ikka/sinagawaiti.htm 茶室(松滴庵) 昭和初期に建てられた茶室(松滴庵)は、庭園に現存しています。 年5月18日の博物館の日、5月19日の開館記念日の前後および11月3日の文化の日には、茶室を一般公開しています。(雨天中止)※茶室(松滴庵)は建築されてから年数が経過し、老朽化が進んでおります。利用者の安全確保と建物保全のため、現在施設利用を見合わせております。 出典:品川歴史館 品川歴史館 茶室 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix s9900 2019-10-16 品川歴史館 茶室 撮影:池田こみち iPhone 2019-10-16 品川歴史館 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix s9900 2019-10-16 品川歴史館 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix s9900 2019-10-16 品川歴史館 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix s9900 2019-10-16 品川歴史館 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix s9900 2019-10-16 品川歴史館 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix s9900 2019-10-16 安田善次郎こと茶人松翁 現在、東京都品川区大井6-11-1にある品川区立品川歴史館は、もともと明治末期から大正にかけて大活躍した実業家、鉄道王、安田善次郎(やすだ ぜんじろう)が甥の安田善助氏のために創設したものである。 安田善次郎(1838~1921)は現在の富山県出身で、下級武士の子として生まれた。20歳の頃、幕末の江戸に出て丁稚奉公をはじめる。その後、一代で田銀行(現みずほFG)を中心とした安田財閥を築き、日本の銀行王といわれた。 また日比谷公会堂や東京大学安田講堂を寄付するなど社会事業の面でも業績を残した。40歳前後のようですが、知人の勧めもあり、お茶に興味を持つようになり、表千家11代宗匠碌々斎(ろくろくさい)に入門し、松翁(しょうおう)を名乗りました。明治13年(1880)から大正7年(1918)にわたり記されたのが『松翁茶会記』である。 出典は:和菓子の虎屋のWeb つづく |