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足尾銅山現地視察
(11)「本山地区」から「松木地区」


青山貞一 池田こみち
掲載月日:2014年5月10日
 独立系メディア E-wave Tokyo

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②本山から松木


出典:一般社団法人日光観光協会、足尾散策ガイドマップ をもとに青山が作製

 古河鉱業、足尾製錬所がある「本山地区」からさらに県道250号線を北上すると「松木地区」に入る。松木地区には、日本のグランドキャニオンなどと呼ばれる松木川沿いの松木渓谷があるが、車は銅親水公園地域で進入禁止となる。

 下の地図にある現在地は「銅親水公園」の位置を示している。現在位置あたりから北(上)側が「松木地区」である。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 2014年5月7日の足尾銅山現地調査は日帰りであったこともあり、徒歩で松木渓谷に向かうのは断念した。そこで銅親水公園、足尾砂防ダムさらに足尾環境学習センターを視察するにとどめた。


銅(あかがね)親水公園の入り口にて
出典:グーグルマップストリートビュー

 なお、足尾砂防堰堤(ダム)、銅(あかがね)親水公園、足尾環境学習センターに自家用車以外で行くためには、バスがあるが、下の時刻表にあるように、1日に2台しか行かないので注意が必要である。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は「足尾銅山観光」のパンフレットにある足尾砂防ダム、銅親水公園の紹介である。



 まず最初に足尾砂防堰堤(砂防ダム)について国土交通省 関東地方整備局 渡良瀬川河川事務所の説明を示す。

◆足尾砂防堰堤(砂防ダム)

 渡良瀬川上流の仁田元川、松木川、久蔵川の三川が合流する直下に、流出土砂の抑制と河床の安定を目的として計画されたものである。

 同地域は、その昔、足尾銅山の煙害と山火事により山から緑が失われ、まさに山容は荒廃の極限にあった。このような中、渡良瀬河流域は昭和22年のカスリーン台風等の大災害により足尾砂防堰堤の必要性が認識され、急速に計画の具体化が進んだ。

 昭和25年に足尾砂防堰堤建設に着手、4年5か月の歳月をかけ1955年(昭和30年)に竣工した。堰堤の高さは39m、長さは204m、貯砂量500万m3で日本最大級の堰堤である。平成8年には、堰堤の下に銅(あかがね)親水公園が作られ、観光スポットとなっている。

国土交通省 関東地方整備局 渡良瀬川河川事務所

 周知のように国土交通省、旧建設省は、首都圏、とりわけ群馬県、栃木県において膨大な数のダムや砂防ダムを建設してきた。その必要性について国土交通省は、たえず昭和22年のカスリーン台風等の大災害と、カスリーン台風を引用している。

 カスリーン台風並の...を言えば、知事、市町村長も必要性を否定できないとばかり、膨大な数のダムや砂防ダムを建設してきたが、これは自然の摂理に逆らうことに他ならず、一方で膨大な自然破壊をもたらす結果となったことは否めない。

 渡良瀬川流域には、草木ダムがあるが、これは現在群馬県西部の長野原町で巨費の公金を投入し進められている八ッ場ダムやすでに建設されている品木ダム同様、治水、防災上の目的というよりは、汚染、汚濁水を堰き止め、沈殿させるためのダムという側面が強いと思える。

 今回図らずも足尾銅山鉱毒問題で現地を訪れたが、あまりにも巨大な足尾砂防堰堤(砂防ダム)を見るにつけ、本当にこのような巨大ダムを同地に建設する必要があったのかどうか、首をかしげたくなった。


昭和58年時点での足尾の砂防ダム  銅(あかがね)親水公園の解説板を撮影
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


足尾砂防ダム周辺の地形     銅(あかがね)親水公園の解説板を撮影
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


足尾砂防ダム周辺の地形     銅(あかがね)親水公園の解説板を撮影
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 以下に足尾砂防ダム、銅親水公園、環境学習センター、それにアクセス道路の位置関係をグーグルマップ上に示した。


参考:グーグルマップ


足尾砂防ダム  出典:Wikipedia


足尾砂防ダム  
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾の砂防ダム(親水公園)にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾の砂防ダム(親水公園)にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


渡良瀬川水源碑の前にて
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


足尾ダムの下流をのぞむ  遠くに製錬所側の煙突が見える
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

つづく