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初冬の三峯神社短訪

N日本武尊銅像と遙拝殿

青山貞一 Teiichi Aoyama
池田こみち Komichi Ikeda


December 23、 2014
Independent Media E-wave Tokyo
無断転載禁
@場所と行き方 D拝殿 H手水舎 L国常立神社
A三鳥居と狛狼 Eご神木 I本殿と奥宮 M摂末社
B神社概要、随身門 F青銅灯籠 J神社の歴史 N日本武尊像
C神楽殿 G八棟木灯台 K祖霊社 O神社の紅葉


撮影:青山貞一 Nikon Digital Camera Cool Pix S8            菖蒲菱


出典:三峯神社公式Web


◆日本武尊銅像(上の地図の14番) 

 摂末社の右横を登ってゆくと、日本武尊の銅像が見えてきます。


撮影:青山貞一 Nikon Digital Camera Cool Pix S8

 三峯神社公式Webによる解説は以下の通りです。

 神社の創始者とされる日本武尊は、東征の途中甲斐の国酒折宮より雁坂峠を越えて当山に登り、遥かに国中の地理を見渡し、神威の擁護を願い、仮宮を造営してイザナギノミコト、イザナミノミコトを祀ったことに始まります。

 この銅像は本体5.2m、地上15mの偉容をほこります。また周囲には野口雨情、斉藤茂吉らの歌碑が多くあります。


撮影:青山貞一 Nikon Digital Camera Cool Pix S8


撮影:青山貞一 Nikon Digital Camera Cool Pix S8

 以下は、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の「日本武尊 やまとたけるのみこと」の解説概要です。

◆ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の「日本武尊 やまとたけるのみこと」

日本の古代史における伝承上の英雄。『古事記』では倭建命と書く。『古事記』『日本書紀』では景行天皇の皇子で,幼名を,オウスノミコト (小碓命) という。武勇に優れていたため,父天皇の命による西方の熊襲征伐には童女に扮して川上梟帥 (かわかみのたける) に近づきこれを討った。


 以下は、世界大百科事典 第2版の解説におけるやまとたけるのみこと【日本武尊】です。

◆世界大百科事典 第2版の解説におけるやまとたけるのみこと【日本武尊】

《古事記》《日本書紀》《風土記》などに伝えられる英雄伝説の主人公。記では倭建命と記す。景行天皇の第3皇子,母は播磨稲日大郎姫(はりまのいなびのおおいらつめ)とされ,幼名に小碓(おうす)命,倭男具那(やまとおぐな)王がある。年少にして勇武人にすぐれ,諸方の平定に派遣されて日本武尊の名を得るが,長途の征旅,漂泊の末に力尽きて倒れる悲劇的人物として描き出されている。[ヤマトタケル物語の大要]
 《古事記》と《日本書紀》とでは叙述に相違があり,文学として後者は前者にはるかに及ばない。


 以下は、日本大百科全書(ニッポニカ)における「日本武尊・やまとたけるのみこと」についての解説です。

◆日本大百科全書(ニッポニカ)における「日本武尊・やまとたけるのみこと」

 日本武尊は景行(けいこう)天皇の皇子で、仲哀(ちゅうあい)天皇の父。この皇子の像は『古事記』と『日本書紀』で大きな相違があり、われわれが悲劇的皇子の物語として感動を受けるのは前者であるが、後者では天皇支配の体制に適合する姿に修正されている。

 記では、皇子は臼(うす)を人格化した小碓命(おうすのみこと)の名で登場し、兄に食事に出席するように願えとの天皇の命令を取り違えて、兄を惨殺する。この豪勇を恐れた天皇は、熊襲建(くまそたける)の討伐に皇子を派遣し、16歳の皇子はおばの倭比売(やまとひめ)の衣装で女装して熊襲建に近づき、これを殺す。

 このとき倭男具那(やまとおぐな)と名のっていた皇子は、熊襲建から日本武尊の名を奉献される。そしてその帰途、出雲建(いずもたける)を偽刀(ぎとう)の計で倒し、山、川、海峡の神を服属させて帰還する。しかし帰京後まもなく今度は東征を命ぜられ、「天皇は私に早く死ねと思っておられるのか」と嘆きつつ伊勢(いせ)神宮に奉仕する倭比売を訪ね、剣と袋をもらって出発する。

 東征では多くの困難が起こった。まず相模国造(さがみのくにのみやつこ)にだまされて野火の難にあい、また浦賀水道の神に航行を阻まれる。皇子は野火の難を倭比売から賜った剣で草を薙(な)ぎ、袋の中の火打石(ひうちいし)でこれに火をつけて逃れ、浦賀水道では愛する弟橘媛(おとたちばなひめ)の入水(じゅすい)により死を免れる。

 だが東征の帰途、熱田(あつた)の宮簀姫(みやずひめ)のもとに伊勢の神剣を預け、素手で伊吹(いぶき)山の神に立ち向かった皇子は、神の正体を誤認したために大氷雨(おおひさめ)に打たれて深手を負い、伊勢の能煩野(のぼの)にたどり着いて死ぬ。物語はこのあたりから歌を交え、生と死の悲劇性を高めていくが、とくに、死後白鳥となって翔(かけ)り行く皇子を后(きさき)や御子(みこ)たちが追う終章は、この物語の白眉(はくび)である。

 皇子がいくつかの名をもつことから理解されるように、この物語は多くの話がまとまって成立した東西平定の物語である。それは『古事記』のなかで、崇神(すじん)朝の国家体制の確立を受け、神功(じんぐう)皇后の朝鮮半島征服へと展開させる意味をもつが、われわれに与えるこの物語の感動は、父である天皇に遠ざけられて異域で死なねばならなかった皇子の死が語りかける、一人の人間の悲劇的生涯である。

『吉井巖著『ヤマトタケル』(1977・学生社)』


 さらに、以下は、朝日日本歴史人物事典における「日本武尊」の解説です。


◆朝日日本歴史人物事典における「日本武尊」の解説

 『古事記』『日本書紀』の伝説で活躍する景行天皇の皇子でわが国の古代伝説の代表的英雄。

 『古事記』では倭建命(ヤマトタケルノミコト)。名は小碓命。別名、日本童男、倭男具那王。『常陸国風土記』では倭建天皇とも記す。『古事記』によれば、父の天皇から、食事に出てこなくなった双子の兄の 大碓命 を諭せと命じられ、殺して筵に包み投げ捨ててしまう。

 乱暴を恐れた天皇に、熊曾建兄弟の討伐を命じられ、伊勢の斎宮で叔母の倭比売(ヤマトヒメ)から衣裳を賜って九州へいき、女装して宴席に入り、兄弟を刺し殺し、そのとき弟から、ヤマトタケルの名を献上された。帰途に出雲(島根県)に寄り、出雲建(イズモタケル)を、友誼を結び油断させておいて、騙し討ちにして殺す。帰って報告するとすぐにまた、東国の征伐を命じられ、伊勢にいき、ヤマトヒメから 草薙剣 と袋を授かり、危急のとき袋の口を開いてみよと教えられる。

 尾張(愛知県)で美夜受比売(ミヤズヒメ)と婚約したのち、相模(神奈川県)で国造に欺かれ、野火に囲まれるが、草薙剣で周囲の草を刈り、袋の中にあった火打ち石で、逆に火を燃やして難を逃れる。

 房総半島(千葉県)に向け海を渡ろうとして、渡の神に妨害され、船が進まなくなり、后の弟橘比売が入水して、荒波を鎮めた。東征を果たして帰途に足柄の坂で「吾妻はや」といって后の犠牲を嘆き、それが東国を「吾妻」と呼ぶ起源になった。

 甲斐(山梨県)、信濃(長野県)を経て尾張に帰り、ミヤズヒメと、月経の血で衣の裾が汚れていたのにかまわず、契りを結んだのち、草薙剣を彼女のもとに置き、伊吹山(滋賀、岐阜両県の県境)の神を素手で退治しにいったが、その神の毒気にあてられて重病になり、重い足を杖で支え、苦しみながら旅をして、三重の能煩野まで辿り着いたところで力尽き息絶えた。

 大和(奈良県)から后たちと子たちがやってきて、御陵を造り、泣きながら葬ろうとしたが、尊は八尋白智鳥に化して飛び翔り、后たちと子たちが懸命に追っていくと、河内の志幾(大阪府南河内郡)に留まった。

 そこでその地に白鳥陵を作り、鎮座させようとしたが、再び天翔り去ったという。 大略このような伝説は、全体が明らかに、典型的な英雄神話のパターンに則って構成されており、ギリシャ神話のヘラクレスとの類似は、ことに著しい。両者は共に、劣弱な双子の兄弟を持っているうえに、肉親(兄と実子)の殺害と、友誼を結んだ相手(イズモタケルとイピトス)に対する騙し討ちと、愛人(ミヤズヒメとイオレ)の色香への異常な耽溺が、それぞれの履歴の重要な結節点になっている。

 どちらも最後には毒に当たり非常に苦しんで死に、葬儀を受けたが昇天した。またヤマトヒメとアテナが両伝説で果たしている援助者の女神(神女)の役割にも、明らかに共通したところがあると思われるからだ。名古屋市の熱田区熱田神宮の相殿神であるほか、静岡県清水市の草薙神社や、焼津市の焼津神社などに祭られている。

<参考文献>吉田敦彦『ヤマトタケルと大国主』(吉田敦彦)


 この後、私達は、奥秩父の周辺の自然景観が遠望できる遙拝殿に向かいました。


◆遙拝殿(上の地図の15番) 

 以下は三峯神社公式Webによる遙拝殿の解説です。 

 遙拝殿は神社内で下界が一望できる唯一の場所です。こから妙法ケ岳山頂の奥宮を遥拝します。また近くに森玄黄斉作のご神犬像があります。
 

出典:三峯神社公式Web


遙拝殿にて
撮影:青山貞一 Nikon Digital Camera Cool Pix S8


遙拝殿にて
撮影:青山貞一 Nikon Digital Camera Cool Pix S8


遙拝殿からの遠望 
撮影:池田こみち Nikon Digital Camera Cool Pix S6400


遙拝殿からの遠望 
撮影:池田こみち Nikon Digital Camera Cool Pix S6400


つづく