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●大火も起きた山田町の被災地(新規調査)
山田町は、岩手県沿岸中部の町で中心的産業はリアス式海岸を利用した養殖を中心とする漁業である。山間部では中小の製造業の工場もある。3.11の地震では直後に発生した大火災により中心市街地が壊滅し、多くの人的、物的な被害がでている。 山田町には、初日の2011年11月18日(金)の午後、遠野、釜石、大槌、山田経由で宮古に行く途中と、11月20日(日)の午前、岩手県南部に向かう前に山田町を視察した。 この山田地区では、明治三陸津波(1896)では、波高6.57mの津波が押し寄せ、死者が840人、流失倒壊戸数が388戸、また昭和三陸津波(1933)では、波高が4.75mの津波が押し寄せ死者7人、流失倒壊戸数406戸の被害を受けている。 ●岩手県山田町 以下は初日の2011年11月18日(金)の午後、遠野、釜石、大槌、山田経由で宮古に行く途中の山田町である。 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 岩手県山田町では、3.11の直後から大規模な火災が発生し、町民の多くが3月12日に避難を開始した。 以下は2011年3月12日の町民、市民等の避難状況である。 岩手県災害対策本部4:30まとめたところによると、避難者数は、岩手県最北部の洋野町で353人、野田村で810人、大船渡市で5,508人、陸前高田市で240人、釜石市で4,229人、大槌町で1,650人、宮古市で4,230人、そして山田町3,000人と発表された。その後、この数は大幅に増加することになる。 以下は震災直後に山田町に押し寄せた津波の映像である。 ◆2011年3月11日15時に山田町に押し寄せた津波の映像 http://www.youtube.com/watch?v=CquBcA97Dls 以下は被災から一ヶ月後の山田町の被災状況を写した動画である。 ◆2011年4月8日の山田町の被災状況 http://www.youtube.com/watch?v=6Jk-FlyzsVU 以下の写真は休憩を取った「道の駅やまだ」に掲載されていた写真からの転載である。 山田町大火災の原因は、一般家庭のプロパンガスからの発火、倒れた電柱の電線の発火などである。交通の寸断と断水で初期消火はできず、沿岸部市街地に火災が拡大し、消防隊員は火が家屋に包まれるのをただ呆然と見る以外なかったと地元新聞、岩手日報は報じている。 山田道路から見た市街地火災 出典:道の駅やまだ 壊滅状態の山田町田の浜地区 出典:道の駅やまだ 壊滅した山田町旧須賀地区の防潮堤 出典:道の駅やまだ 消火作業中の山田町長崎地区 出典:道の駅やまだ 救済に向かう山田町の救助隊員 出典:道の駅やまだ 以下は2011年3月8日、東日本大震災で津波の被害に遭った山田町の漉磯(すくいそ)地区で捜索を行う自衛隊と緊急消防援助隊大阪府隊である。 山田町の漉磯(すくいそ)地区で捜索を行う自衛隊と 緊急消防援助隊大阪府隊 出典:Wikipia おびただしい数の人家が津波に押し流された漉磯地区を進む緊急消防援助隊大阪府隊の車列。 おびただしい数の人家が津波に押し流された漉磯地区を 進む緊急消防援助隊大阪府隊の車列 出典:Wikipia 以下はグーグルマップで見た地震、津波、火災被災後の山田町中心部である。 上のグーグルマップにあるように、山田町の中心市街地は、船越半島が北に突き出ているため、湾口が非常に狭くなっている。また山田町市街地は、山田湾奥にある。それらの海洋地形、陸上地形そして向きなどが理由となり津波の高さが高くなり、速度も高まったことが十分想定できる。 一方、漁港としては、まれに見る秀逸な天然の良港といえる。この岩手県山田町では、津波の直後に発生した大きな火災によって中心市街地が壊滅状態に追いやられたようだ。 宮古市から山田町に入ったところで撮影 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 以下は山田町の中心市街地である。山田町では大火も発生したため、見渡す限り、「焼け野原」となっていた。 山田町の中心市街地の被災状況 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 山田町では、私たちが現地調査で山田町に来る少し前の10月11日に災害廃棄物(がれき)が発火し、10月27日やっと鎮火している。以下はそれに関連する記事である。
●参考データ(岩手県山田町) ■岩手県山田町における志望者数及び行方不明者数
■津波の高さ(推定値) 今回現地調査した宮古市沿岸域は、堤防、道路、水門、住宅などの破壊状況、沿岸域の樹木、土壌、地層などへの影響から最低でもTPから12mの津波高、最高で30mを超す遡上高が生じていたと推定される。 出典:東京大学地震研究所 都司嘉宣氏らによる「三陸南部の調査結果」 今回現地調査した山田町の沿岸域は、堤防、道路、水門、住宅などの破壊状況、沿岸域の樹木、土壌、地層などへの影響から最低でもTPから12mの津波高、25m近い遡上高が生じていたと推定される。 出典:東京大学地震研究所 都司嘉宣氏らによる「三陸南部の調査結果」 参考・東北地方太平洋沖地震津波情報 東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ グラフィックスで見る日本沿岸の津波高 津波現地調査結果/岩手県 過去の津波情報 つづく |