|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●岩手県大船渡市(再調査)
調査対象となった三陸海岸 作成:青山貞一 ●大船渡市(前回調査実施地) 2011年11月20日日曜日、私たちは前回の岩手県現地調査では瓦礫処理の作業中で現地への立ち入りが禁止されていた地域に入ることができた。 釜石市唐丹小白浜漁港と唐丹小学校を現地調査した私たちは、国道45号線を南下し、大船渡市に向かった。私たちはその後、三陸集落で国道45号線から離れ、海沿いを綾里(ゆうり)集落沿いに県道9号線を南下した。 大船渡市綾里地区 この道路は、南リアス線(鉄道)沿いにグルーと走っている。国道45号線を使うと一切見えない沿岸が見えることもあり、遠回りになることを承知で綾里地区をまわってみた。 大船渡市綾里地区の被災地 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 大船渡市綾里地区の被災地 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 大船渡市綾里地区の被災地 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 実はこの大船渡市綾里集落は、明治三陸津波のとき三陸海岸で最悪の被害を受けていたことが分かった。 以下は綾里地区で見つけた「明治三陸大津波伝承碑」である。この碑は平成10年6月15日に、綾里地区消防100周年記念事業実行委員会が建立したものであり、碑には次のように書かれている。 綾里地区で見つけた「明治三陸大津波伝承碑」 明治29年6月15日(旧暦5月5日)午後8時7分頃来襲。綾里村は被害個数296戸、死者1350人を数え、この地にて本州津波市場最高の38.2mの波高を記録する。 「白浜は真口の太平洋に直面せるを持って水勢を遮る何物もなきによるべく、野を越え山を走りて道合に至り両湾の海水連絡せるに至る。所詮水合か」(「綾里村詩」) 「綾里村の惨状」 「綾里村のごときは死者は頭脳を下し、あるいは手を抜き、足を折り実に名状すべからず、村役場は村長一名を残すのみ、尋常小学校、駐在所みな流出して片影を留めず」(岩手県知事より内大臣への報告) (後略)などとあり、明治三陸津波がいかにすさまじいものであったかが分かる。
以下はグーグルマップで見た大船渡市と陸前高田市である。マウスを使用することで拡大、縮小、移動などが自由に行えるとともに、衛星画像、通常の地図、3次元立体地図、地形図などを切り替えてみることができる。 大船渡市は東日本大震災・津波で下の衛星写真にあるように、甫嶺と三陸町(越喜来)の海側は明治三陸津波同様、壊滅的な被害を受けた。 大船渡市内にあるチリ津波水位看板 その大船渡市では、前回の岩手県南部調査時には瓦礫処理中で立ち入り禁止となっていた大船渡市西側臨港部への立ち入りが認められ、全面的に調査を行うことができた。 自動車のナビで見る大船渡市の現在地 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 大船渡市沿岸域の被災状況 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 下の動画は大船渡市の被災状況である。 大船渡市沿岸の被災状況 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 大船渡市臨海主要部地図 出典:マピオン 大船渡市沿岸域の被災状況 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 大船渡湾臨港部でひっくり返っている燃料タンクを発見。このタンクの背後に、2つの大きな石油タンクがあったが、こちらは無事だった。 大船渡市沿岸域の被災状況 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 サン・アンドレス公園にある港を一望できる塔。ここには整備された公園があったが、津波により公園は消え去ってしまった。 サン・アンドレス公園にある港を一望できる塔 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 下の動画はサン・アンドレス公園にある塔から一望した大船渡市の被災状況である。 サン・アンドレス公園の塔から一望した大船渡市沿岸の被災状況 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.21 サン・アンドレス公園の塔から一望した大船渡市沿岸の被災状況 動画撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.21 大船渡湾臨港部でひっくり返っている燃料タンクを発見 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 誰かがおいていったのか偶然に流れ着いたのか、 ひな祭りの雛人形が大船渡市被災地の道路脇擁壁の階段にあった 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20 誰かがおいていったのか偶然に流れ着いたのか、 ひな祭りの雛人形が大船渡市被災地の道路脇擁壁の階段にあった 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.20
●参考データ(岩手県大船渡市) ■大船渡市の死者数と行方不明者数
以下は岩手県大槌町における過去の津波被害
・明治大学 建築史・建築論研究室著の「三陸海岸の集落 災害と再生」 ・青山・池田:三陸海岸 津波被災地現地調査 過去の津波被害(詳細) ■津波の高さ(推定値) 今回現地調査した大船渡市地区は、水門、道路、堤防などの破壊状況、沿岸背後地の樹木、土壌、地層などへの影響などからTPから15m以上の津波高及び28m以上の遡上高が生じたと推定される。とりわけ釜石市から大船渡市に向かう途中、立ち寄った綾里地区では、津波高が20m以上に達していたと推定される。 出典:東京大学地震研究所 都司嘉宣氏らによる「三陸南部の調査結果」 以下は関連記事。
参考・東北地方太平洋沖地震津波情報 東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ グラフィックスで見る日本沿岸の津波高 津波現地調査結果/岩手県 過去の津波情報 つづく |