■一日探訪コース
1日を有効に使うためは早朝に起きることが肝心だ。以下は、実際に体験した私たちのローマ歴史地区<一日短訪ルート>である。
朝6時から夕方6時までの12時間に一日探訪を敢行した。移動手段としては、グリーンの部分が地下鉄利用、それ以外は全て徒歩である。バス、タクシーは一切使っていない。
ローマ歴史地区一日探訪コース
●午前A
スタート→午前6時:00宿泊先出発(ローマテルミニ駅近く)→共和国広場→オペラ座→カフェ→午前7:00サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂→共和国広場→午前8:00サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会→
●午前B
レパブリカ駅→地下鉄Aライン→オッタヴィアーノ駅→午前9:00バチカン博物館・システィーナ礼拝堂→
●午後A
午前11:55バチカン市国、サンピエトロ大聖堂→午後0:50サンタンジェロ橋→午後1:00サンタンジェロ城→ティベリ川河畔→午後1:30ポポロ広場→
●午後B
フラミニオ駅→地下鉄Aライン→テルミニ駅→地下鉄Bライン→コロッセオ駅→午後2:10コロッセオ→午後2:30フォロ・ロマーノ・コンスタンティヌス帝凱旋門→午後3:30チルコ・マッシモ→
●夕方A
午後4:00サンタ・マリア・イン・コスメディン教会→ティベリ川河畔→ティベリ川中州→マルケス劇場→午後4:40アンジェリーナ遺跡広場→午後5:00パンテオン→ミネルバ教会→
●夕方B
午後5:35トレヴィ泉→午後6:00スペイン広場→スペイン広場駅→地下鉄Aライン→テルミニ駅→●エンド
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上記のルートはローマ歴史地区の玄関口であるテルミニ駅周辺に宿泊した場合を想定している。その場合には、同ルートで一日短訪が可能である。
短訪のポイントだが、最も時間がかかる博物館・美術館は、世界一の博物館であるバチカン博物館に限定したことだ。バチカン博物館には3時間を配分、それ以外の博物館、美術館への入場はなしとした。
次に、個々人の趣味、目的もあるが、私たちの場合、大聖堂、教会、広場の訪問を重視した。さらに歩きながら外観を見れるコロッセオ、フォロ・ロマーノ、チルコ・マッシモなど古代ローマを象徴する場所を入れた。さらに真実の口、スペイン広場、トレビの泉など、いわゆる超観光スポットも可能な範囲で入れてみた。
上記のコースに入っていないのは、.....の丘など丘である。またカラカラ大浴場などローマ歴史地区で地理的に南北東西のはずれにある場所である。これらについては、帰国前日に、2階建てオープンバスで一通り視察することでフォローした。
コロッセオ(円形闘技場)を背景に筆者
撮影:Nikon CoolPix S10
■ローマ一日探訪時の注意事項
(早起きすること)
当然のことだが、これから紹介するローマ一日短訪を敢行するためには、早朝にホテルを出発しなければならない。ローマのテルミニ駅周辺にホテルをとった場合、一番早くミサを行う大聖堂は、世界一の聖母聖堂であるサンタマリア・マッジョーレだ。開くのは午前7:00である。軽く朝食をとって、この時間に間にあわせるためには午前6時過ぎにホテルを出たい。
(もっぱら歩くこと)
もし、ローマの歴史地区を一日でそれなりに視察、体験したい、しかもお金をかけず体験したい方はぜひ、このブログを参考にして欲しい。その場合、歩くことが最大の交通手段となる。そこで履き慣れた靴を用意することが大切だ。
ローマの地下鉄には一日周遊券があるが、そもそもローマの地下鉄はAライン、Bラインの2つしかなく、私たちが敢行したコースでも地下鉄は3回しか使っておらず、したがって、地下鉄切符はその都度買えば十分である。
(バスの切符は必ず時間を刻印すること)
欧州ではほぼどこの都市でも同じだが、バスを利用する場合には、必ず買った切符を乗車時に日時を刻印しなければならない。
ローマの地下鉄では日本同様、入場時に必ず無人改札を通るときに刻印されるが、バスだと乗車時に自分で刻印することになる。これをしておかないと、検札があった場合無賃乗車と見なされるので要注意である。
バス内にある切符への日時刻印機
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
(観光物価の餌食にならないこと)
気をつけて欲しいのは、2008年2月のローマでは1ユーロが実質190〜200円近い観光料金となっていることだ。500mlの日本なら100円のペットボトルの水、1本が2〜3ユーロもしたり、たいしたこと無いランチが12〜14ユーロもする。
実際、空港の売店では500mlのスプライトやコーラと言った清涼飲料水が3.8ユーロもしていた。もちろん、地元のひとが買っているコンビニや入っているレストランを使えば実質その半分でことが足りる。
昼食だが、一番確実で安心なのはピザだと思う。早くてそこそこおいしくてしかも安くい。ローマに限らずイタリアでは、何種類かのピザをピースで売ってくれる。
1ピースは1ユーロ前後なので、それを2〜3種食べれば十分だろう。イタリアと言えばパスタだが、そのパスタにはミラノなどで酷い目にあっている。どこでも安心、安全なのはピザだった。
こんなピザ屋で結構食べれる(ポポロ広場)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
昼食はこんなピザを食べた(ポポロ広場)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
昼食はこんなピザを食べた(ソレント)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
ローマのテルミニ駅周辺で安くて早く、しかもうまいのはトルコ料理の一種、ケバブである。ケバブにはいろいろな種類があるが、肉、野菜などをトッピングし小麦粉の皮でロールして食べるのがオイシイ。ケバブは飲み物付きで3ユーロもあれば十分である。なまじのイタリア料理よりグーである!
ケバブの店。テイクアウトもできる。
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
(ローマのホテル、B&Bについて)
世界一の観光地、ローマにはそれこそ星の数ほどホテルやB&Bがある。しかし、ローマでは1ユーロが実質200円の観光物価となっているので、オフシーズンでも宿泊費用は高額である。国際空港から最初にローマに電車で入るテルミニ駅周辺に小さなホテルがぎっしり並んでいるが、相当狭いビジネスホテルでも60−70ユーロ(通常ツインがベース)となっている。
欧州のホテルでは朝食が付くのが常識であるが、B&Bといいながら朝食がつかないホテルもある。まともなホテルは最低でも日本円で2万円は下らないと見た方がよい。その場合でも朝食の有無、インターネットコンセントの有無などをあらかじめ聞いておくこと。
B&Bの朝食の例。ただしこれは南イタリアのB&B。
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
(スリ、置き引きに十二分に気をつけること)
ローマ歴史地区で最も注意しなければならないのは、スリや置き引きがアチコチにいることだ。混んでいる地下鉄が一番危ないが、バスや駅、レストラン、また博物館などの内部も危険である。
本ブログで紹介している一日ルートには、大金の現金やカードは不要である。せいぜい食事、入場料、地下鉄切符代としてひとり最大20ユーロもあればよい。大金やカードはホテルの金庫に預けること。これは冗談でなく本当のこと。ぜひ励行して欲しい。
ローマの地下鉄車内は盗難のメッカ!?
テルミニ地下鉄駅入り口
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
スリや置き引きのメッカ? ローマのテルミニ駅
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10
(写真撮影で気をつけること)
ローマの歴史地区では、大部分の場所、施設で写真撮影が許可されていた。しかし、バチカン博物館の場合、システィーナ礼拝堂が全面禁止されている。また同じバチカン博物館内でもストロボ、フラッシュ撮影を禁止している場所がある。さらにバチカンのサンペトロ大聖堂の教皇などの棺が納められた場所でも撮影が全面禁止となっている。
教会、大聖堂ではミサが行われている最中のストロボ撮影は厳禁だが、それ以外は大きなシャッター音がしなけえば通常許可される。
ローマの歴史地区は世界一の観光地でもあり、どこにでもあるように絵はがきなどが売れなくなるから撮影を許可しない、などというケチな考えはなく、室内であっても許可されるところが多い。
(トイレ)
トイレは思いの外重要である。ローマに限らずイタリア各地の観光地や大都市には、日本のような公衆トイレがない場所が多い。テルミニ駅など大きな駅にトイレがあっても一回に0.5ユーロなどカネと取られる。
もちろん、入場料をとられる博物館や美術館には無料トイレがある。しかし教会や大聖堂にはいわゆる公衆トイレがないのが普通である。したがって、朝食時、昼食時などにカフェやレストランでトイレをすましておくことが大切。また入場料を取られる施設でトイレをすますことをおすすめする。
つづく
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