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真田の里、上州沼田

沼田公園 

旧土岐家洋風住宅−2

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda

September 25 2015
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真田の里、上州沼田 2015-9-20
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◆土岐家住宅洋館の概要

 大正13年(1924)建設。木造2階建屋根裏部屋付、天然スレート葺、建築面積119uです。

 江戸時代に沼田藩主を勤めた土岐家の東京渋谷にあった邸宅の洋館部を平成2年に現在地に移築したもの。大正末期から昭和初期にかけて特徴的にみられたドイツの郊外別荘風住宅となっています。

 屋根窓(「牛の目」窓)は、1階のドイツ風壁仕上げと合わせ、様式的特徴の精髄となっています。

 外観は洋風ですが、内部は和風と洋風の両方の接客室をもつ擬洋風建物。大正期の大邸宅に建てられた洋館の好例です

 出典:沼田市教育委員会

  設計当初は右部分もあり大きな邸宅だったようです。


建築当初の設計図(大正13年)

 大正期を代表するドイツ風住宅ですが、外観はドイツ風住宅ですが、内部は純和風の床の間付きの和室もあり、和洋折衷の住宅となっていました。

 下の間取りを見ても同じ階に和室と洋室があります。


土岐家住宅洋館間取り 一階
出典:パンフレット


土岐家住宅洋館間取り 二階
出典:パンフレット

 下は土岐家が沼田藩主だった頃のお屋敷の立体模型です。土岐家住宅洋館に比べるとはるかに大きな住宅となっています。


往事の住宅の立体間模型
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-9-20


 以下は、土岐家住宅洋館の主な特徴です。

<生活史的特徴>

 明治以降の近代日本を形成する過程で特有の役割を果たした旧大名家の近代以降の生活を知る貴重な資料です。

<建築史的価値>

 我が国に遺された大正末期の遺構は少なく、これらの中でも、とりわけ時代の特徴を示している貴重なものです。

<様式的特徴>

 大正末期から昭和初期にかけて特徴的にみられたドイツの郊外別荘風住宅。屋根窓(俗に「牛の出窓」と称される)は、1階のドイツ壁仕上げと合わせ、様式的特徴の精髄となっています。

<平面的特徴>

 玄関広間の最良に設けられた両開扉を境に、接客空間と私的空間が明快に分離されています。

 明治期の独立した洋館から、昭和初期の文化住宅(応接空間を小規模の西洋館として玄関脇に設置する)への過渡期を示す特徴を有し部屋の間取りも土岐子爵の接客内容をよく伝えています。


二階の洋室
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-9-20

 二匹の猫がのんびり寝ていました!


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-9-20

 下は一階の和室です。書院と床の間もある立派な和室です。


床の間もある和室 
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-9-20


床の間もある和室 
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-9-20

 往事の文物が展示されている洋室で。男性はボランティアの学芸員です。


往事の文物が展示されている洋室で。男性はボランティアの学芸員
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-9-20


つづく