法堂 出典:Wikipedia |
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総門、三門、鐘楼の次は仏殿です。 ◆建長寺の仏殿 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-11-27 重要文化財。 寄棟造で単層裳階が付いています。 芝(東京都港区)の増上寺にあった、徳川秀忠夫人崇源院の霊屋(たまや)を建て替えに際し、譲渡されたものであり、正保4年(1647年)に建長寺に移築されています。 もともと霊廟建築として造られたものであるので、屋根や天井などの形式が一般的な禅宗の仏殿とは異なっています。すなわち、屋根は入母屋造でなく寄棟造です。 また、天井は禅宗仏殿では平板な「鏡天井」とし、龍などの絵を描くことが多いのですが、この仏殿の天井は和様の格天井(ごうてんじょう)です。 堂内には本尊の地蔵菩薩坐像(室町時代の作、像高2.4メートル)、もとこの地にあった心平寺の旧本尊地蔵菩薩坐像、千体地蔵菩薩立像、千手観音坐像、伽藍神像などを安置しています。 堂前にあるビャクシン(白槙、和名イブキ)の古木7本は開山蘭渓道隆手植えと伝えるもので、樹齢約750年といわれれています。 仏殿 出典:Wikipedia 建長寺 (トリップアドバイザー提供) 建長寺創建当初の仏殿は、左右に土地堂(つちどう)と祖師堂を従えたものでした。 前述したように、今の仏殿は1647年(正保4年)、芝増上寺の徳川二代将軍秀忠夫人(崇源院)の御霊屋が移築されたものとなっています。(1628年(寛永5年)の建築物・国重文)。 この仏殿の他、方丈の正門で唐門(勅使門)と西来庵の中門も東京芝増上寺の崇源院の御霊屋にあったものが移築されています。 下は仏殿の正面入口の屋根の先を写した写真ですが、このカーブはどこかで見たカーブと思ったら、何と東京芝公園の南霊屋にあった崇源院の霊所や徳川第二代将軍、秀忠の霊所のものでした。 仏殿 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-11-27 仏殿 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-11-27 仏殿 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-11-27 仏殿 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-11-27 以下は今回とは別の時期の撮影です。 建長寺 (トリップアドバイザー提供) なお、下は増上寺で崇源院の霊廟の隣にあった台徳院霊廟の実物の1/10の模型です。建長寺の仏殿と建築のデザインなどが類似していることが分かります。
仏殿の次は法堂です。 ◆建長寺の法堂 重要文化財で、禅宗以外の寺院の「講堂」に相当する建物です。 方三間、裳階付、銅板葺き。文化11年(1814年)の建立です。 内部には千手観音坐像を安置しています。鎌倉最大級の木造建築で2005年に重要文化財に指定されています。 天井画は小泉淳作筆の雲龍図。2005年愛知万博に陳列されたラホール中央博物館所蔵の釈迦苦行像のレプリカが万博終了後パキスタンより寄贈され安置されたものです。 なお、この建長寺の現在の法堂は、1802年(享和2年)に再建が計画され、翌年、脇棟梁河内長左衛門が10分の1の正面図を引いています。 工事は1808年(文化5年)、工程ごとに勧進が行われたため、17年後の1825年(文政8年)に完成しています。 そしてこの法堂は、関東随一の法堂となっています。 法堂 出典:Wikipedia 下は鎌倉最大級の木造の千手観音坐像です。2005年に重要文化財に指定されています。 法堂の千手観音坐像 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-11-27 法堂にある下の天井画は小泉淳作筆の雲龍図です。 2005年愛知万博に陳列されたラホール中央博物館所蔵の釈迦苦行像のレプリカが万博終了後パキスタンより寄贈され安置されたものです。 法堂の天井 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-11-27 つづく |