A Field Trip on Environmental Mission, Strategy and Policy
in State, Cities and NPO/NGOs in California, March 2008

3日目:バークレー(アーバン・オーレ&GCM)
青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
March 2008 転載禁
カリフォルニア環境紀行:3日目:バークレー(Urban Ore、GCM) 全体概要  初日;SanFrancisco
2日目:SanFrancisco(Greenaction) 2日目:Oakland City-Bekeley(GAIA) 2日目:SFO Down Town
3日目:SFO Golden Gate Park  3日目:City of SFO  3日目;Berkeley(Urban Ore, GCM)
4日目:San Pablo Bay  4日目: Sacramento(State EPA, State Assembly, State University)
 5日目:LakeTahoe South  5日目:LakeTahoe North   5日目:Sacramento Old Town
 6日目:Altamont Path(Wind Farm)  6日目:SantaCruz & Half Moon Bay
 番外;Flower

◆2008年3月26日(水)午後

バークレー市のアーバン・オールへ

 そして、アーバン・オールへ。

 そこは、とてつもなく広いがらくた置き場のようだが、中に入ると、不用品として持ち込まれたものたちが、整理されて再び商品として並べられている。

 恰幅のよい女性(経営者)が説明に出てきてくれた。自信に満ち溢れている。まず、ものがここに入ってくる入り口から案内しよう、と私たちを連れて行った。そこは、一般の市民も家の建て替えや引越しなどで不要となったものを持ち込んでくる。また、自社で粗大ゴミを引き取ってくる場合もあるという。持ち込まれたものは、種類ごとにわけ、クリーンアップ、値段付けを行って、陳列エリアのしかるべきコーナーに並べられる。
 
   ●訪問先:アーバン・オール・リユース・リサイクル施設
         (3R Urban Ore Facility)

     視察及び議論:経営者、スタッフ
     *おそらく民間による世界最大規模の各種リユースセンター
      建築廃材、金属・ガラスなどの廃棄物、家具・家電、IT機器
      など、ありとあらゆる物を受け入れ、それらをクリーンアップ、
      修理したうえで廉価に販売している民間施設


バークレーのアーバン・オレ・リユース・リサイクル施設にて
Photo: Komichi and Teiichi with Urban Ore owner in Berkeley
撮影:Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California


バークレーのアーバン・オール・リユース・リサイクル施設にて
Photo: Urban Ore Reuse and recyle materials and goods in Berkeley
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California

   アーバン・オール・リユース・リサイクル施設のWeb
    http://urbanore.ypguides.net/


アーバンオールの外観
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California

 屋外には、便器、バスタブ、ドア、サッシ、タイル、ブロックなどがあり、屋内には家具、図書、衣類、家電、台所用品などあらゆるものが並べられている。この商売を始めてからすでに38年くらい経っているという。

 バークレー市では昔からごみはすべて湾岸エリアに埋め立てられていたが、埋め立てを中止するため、粗大ゴミの回収(サルベージ)の権利をこの会社に独占的に与えたことが最初のきっかけとなったという。

 最初は夫婦二人から始まった小さな会社だったが今では、従業員38名の企業にまで成長し、従業員には健康保険も支払うほどの優良な企業となっている。


バークレーのアーバン・オール・リユース・リサイクル施設にて
真ん中が社会学の博士号をもつ社長さん

Photo:Komichi with Urban Ore owners in Berkelery
Middle person is President of Urban Ore
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California

 バークレイだけでなく、湾岸エリアの市民にとって貴重な資源循環の場となっているようだ。従業員も誇りを持って仕事をしている様子がみられた。たまたま店を訪れたお客(市民)も、彼女のファンだと、このアーバン・オールの果たす役割を高く評価していた。


バークレーのアーバン・オール・リユース・リサイクル施設
資材受け入れ口にて

Photo:Komichi with Urban Ore owner and staffs in Berkelery
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California


バークレーのアーバン・オール・リユース・リサイクル施設
靴もあった

Photo:Urban Ore owner and staffs in Berkelery
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California


バークレーのアーバン・オール・リユース・リサイクル施設
家電もあった

Photo:Komichi with Urban Ore owner and staffs in Berkelery
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley, California

 このところのエネルギーの高騰や金属資源の逼迫もあり、金属類特に、非鉄金属は高く売れるため、特別のエリアで厳重に管理されていた。ケーブルなどは、自動剥離機によって効率的に中の銅線を選別し、資源として販売している。これらは、よりきめ細かく選別すればするほど、高い価値がつくのである。ドア類は狭いエリアに多くを収納でいるので、金属類と並んで面積あたりの売り上げに寄与しているという。


月曜から土曜の8:30〜15:00まで
不要品を受け入れる。日曜も10:00〜17:00まで

撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Urban Ore Recycling Facilities in Berkeley

 会社の土地は、借地とのこと。地主に購入を持ちかけたが、売ってくれないので、借地権と税金で、月額
23,000ドルの経費がかかるとのことだ。

 いまでは、長年培ってきたノウハウを周辺ばかりでなく、オレゴンなど遠方の地域にも教えに行くという。ご夫婦ともとても明るくて元気のよい、ミッションをもった経営者で、日本の焼却主義のことを話したら、びっくりするとともに、自分たちがこれまでいかに市が提案する焼却炉建設計画と戦ってきたかを話してくれた。

◆2008年3月26日(水)夕方

カリフォルニア大学バークレー校訪問

 アーバン・オールを後にして、再び、バークレイの中心地区へ戻り、夕方のNGO会議までの時間、カフェで休憩、その後、ブラッドレイさんも合流し、カリフォル二ア大学バークレー校(UCBerkeley)のキャンパスに行く。

 春休みでもあり、学生の数は少なく静かなキャンパスを30分ほど散策。UCBは私たちの年代にとっては非常に懐かしい大学だ。UCBは米国における学生運動の発祥地であり、次はUCBは環境問題の研究教育のメッカであるからだ。ブラッドリーさんと二人でその昔について語り合う!

 カリフォルニア大学は分校が多数あるが、このUCBはUCLAとともに「カリフォルニア大学の雄」といってよい規模だけでなく質的にもすばらしい大学だ。

 州立大学であるので授業料などはスタンフォード大学、ハーバード大学、プリンストン大学、エール大学など私学に比べればリーズナブルであるが、それでも日本の私学に比べれば数倍となっている。

 昨年(2007年)11月に訪問したカリフォルニア大学サンディエゴ校や翌日行くサクラメント校もそうだが、総合大学とはこういう大学をいう、という見本のようなキャンパスである。こういう大学で学べる学生は、うらやましい限りである。

 いずれにしても3万3千人の学生を要するUCBのキャンパスはすばらしい。

 Global  Community Monitor(GCM)というグループで市民活動を科学的にサポートする活動を進めているGCMの女性と一緒に歩きながら、ERIの松葉調査のことなども話してお互いに共通の役割を担っていることを確認した。


   ●訪問先:カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)
     *3万3千人の学生・大学院を要し環境研究で世界レベルある
      UCバークレー校のキャンパスを視察。1960〜1970年代における
      バークレー周辺の学生運動についても話しを聞く


カリフォルニア大学バークレー校のキャンパス
Photo: Campas UC Berkeley
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in Berkeley


カリフォルニア大学バークレーのキャンパス
Photo: Campas UC Berkelery
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in Berkeley


◆2008年3月26日(水)夕方〜夜

エコロジーセンターでGCMの会合に合流

 夕方6時過ぎ、Pacific Stealの工場から排出される排ガスの影響を受けている地域で行う健康調査(アンケート調査)の実施に向けて地元でのボランティアを含めた打ち合わせ会議が開かれるとのことで、私たちもオブザーバーとして参加した。

 場所はシエラ・クラブなどいろいろな
NGOが入っているビルの会議室。Ecology Centerである。


   ●訪問先:エコロジーセンター(Ecology Center Berkeley)

     議論:バークレー地域におけるGCM環境アドボカシー活動
     議論及び情報収集内容:
     West Berkeley Community Air Monitoring Project
      Community Health Survey の具体的支援活動
    *地域にある民間製鉄企業の工場から排出される重金属類により
     健康影響・被害を受けると想定される300〜400人に及ぶ市民
     への聞き取り調査に関するスタッフ会議へのオブザーバー参加




バークレーのエコロジーセンターにて
Photo: Komichi In the front of Ecology Center Berkeley
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at Ecology Center in Berkeley, California
          
   West Berkeley Community Air Monitoring Project について
    http://berkeleycitizen.org/monitoring.html

   GCM California について
   http://www.gcmonitor.org/article.php?list=type&type=37

   Ecology Center について
   http://www.ecologycenter.org/

 参加者は、
Green Actionのブラッドレイさんとアンドレアのほか、ボランティアの学生が2名、Monitorの二人、地元住民などで合計12名ほどだった。対象地域では、大気のモニタリングの結果、マンガンとニッケルが基準を超える濃度となっていることから、地域住民を対象に、400名程度にアンケート票を配布し、健康状態について調べるという。

 そのため、アンケートの実施に際しての注意事項、守秘義務の遵守などについて綿密に打ち合わせが行われた。また、アンケートの質問事項等についても、確認し、内容の拡充が図られた。

 この調査は、住民への教育と市当局への働きかけを狙いとするものであり、
2ヶ月以内にとりまとめて、結果を市民にも知らせ、今後の取り組みに役立てるとのことだった。

 ERIとしては、発生源の煙突の高さや気象条件、周辺の建物の状況などをまず把握し、大気の常時関しデータなどから調査エリアを設定するとともに、対照となる調査エリアの設定も必要ではないかと指摘した。

 会議は8時過ぎに終了し、私たちはやっと一日の日程を終了し、ホテルに戻った。


サンフランシスコ・ベイエリア周辺地図

 つづく

カリフォルニア環境紀行 全体概要  初日;SanFrancisco
2日目:SanFrancisco(Greenaction) 2日目:Oakland City-Berkeley(GAIA) 2日目:SFO Down Town
3日目:SFO Golden Gate Park  3日目:City of SFO  3日目;Berkeley(Urban Ore, GCM)
4日目:San Pablo Bay  4日目: Sacramento(State EPA, State Assembly, State University)
 5日目:LakeTahoe South  5日目:LakeTahoe North  5日目:Sacramento Old Town
 6日目:Altamont Path(Wind Farm)  6日目:SantaCruz & Half Moon Bay
 番外;Flower