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今日は例年正月三が日にお参りしている松陰の墓に妻とお参りにでかけた。 いつもは品川区小山の自宅から学芸大学、下馬、若林を経由し松陰の墓がある松陰神社まで距離にして約6.5km、時間にして1時間半ちょっとで歩く。 しかし、今年は退院間もないので学芸大学から松陰神社入り口まで東急のバスに乗った。 毎年のように、この時期でも松陰神社商店街は閑古鳥で大変残念だが、松陰の墓には結構若い人がお参りに来ていた。NHKドラマの延長なのだろうかも知れないが、やはり松陰から学ぶべきは、人間としての「至誠さ」ではなかろうか。 実のところ、私は神様になった吉田松陰にはさして関心はない。しかし、至誠すなわち誠実な社会改革者としての松陰、そして何よりも教育者としての松陰のあり方には深く畏敬の念を抱いている。 とりわけ、立志尚特異、すなわち「志を立てるためには人と異なることを恐れてはならない」という言葉は、昔から自分自身肝に銘じている。今の日本社会にとって、これほど大切な教え言葉はないだろう。 世田谷区の松陰神社には、山口県萩市にある松下村塾のレプリカがある。ここにも、けっこう家族連れや若いカップル、さらに若い母親が子供づれで来ていた。 5歳くらいの子供を連れた若い母親が松下村塾の講義室を覗いていたので、ぜひ、子供さんにしっかり勉強させなさいよ、と言ったら、はいと素直にうなずいていた。 |
私は今の大学に着任して以来、ずっと図書館長をしているが、なにしろ今の学生は本を読まない。いくらインターネットで多くの情報が得られたとしても、人間の知性、品位、品格は、社会人文科学や多くの歴史・文化書を読まなければ得られない。 現在はどうしようもない低俗な大メディアからの情報洪水で一億総「観客民主主義」となっている。知性も品位もなく、一億総「思考停止」状態といって良いだろう。 大メディアの繰り出す情報操作による世論誘導から国民が脱するためには、捲土重来、ミッションを鍛え、それをパッションやアクションにつなげなければならない。 一昨年、産廃処分場が山口県萩市に計画されているということで、萩市の市民団体から講演を頼まれはじめて萩にでかけた。実質1日しか現地を見て回る時間がなかったが、講演を聴きに来てくれた方々が学芸員となり、吉田松陰の出生地、萩を駆け足で回ることできた。 下はそのお礼として帰京後書いた論考である。当初、2−3本と思って書き出したのだが、気づいてみたら16本にもなっていた。 この地でも強く感じたことは、やはり神様となった松陰ではなく、至誠のひとりの教育者そして社会改革者としての松陰の言葉でり、生き様である。 ●特集:晩秋の長州・萩短訪 2009.11.21-22 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 @今に残る希有な歴史文化都市 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 A萩市の産廃処分場問題 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 B産廃処分場問題講演会 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 C反射炉跡と造船所跡 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 D浜崎地区:旧萩藩 御船倉 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 E浜崎地区:旧山村家住宅 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 F菊ヶ浜・相島・笠山 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 G萩博物館 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 H吉田松蔭誕生地と一族 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 I吉田松蔭刑死と墓所 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 J毛利家の菩提寺 東光寺 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 K松陰神社と松下村塾 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 L御成道と萩城跡 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 M菊屋家住宅とその庭園 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 N萩の城下町を歩く 青山貞一:晩秋の長州・萩探訪 Oエピローグ 萩市の御船蔵の前にて。左は津田氏 撮影:堀洋太郎氏 本場、萩の松下村塾にて 左から堀氏、青山貞一、上田氏(ガイドをしてくれました) 撮影:津田和夫氏 ■<今日の論語>子曰、君子周而不比、小人比而不周 ◆株式会社環境総合研究所 2011年賀状・挨拶 |