2013年アマルフィ海岸現地視察調査報告 <125本 全体メニュー>
アマルフィの位置 プライアーのの紋章 イタリア国旗
<今回調査のハイライト ・学術/芸術訪問>
対象地域の地質学的歴史や考古学的的事実などに関する博物館調査や歴史的遺産の調査も行いました。
<芸術訪問>
1)ヴェスビオ火山爆発地質学調査(ヴェスビオ博物館)場所:ポンペイ
2)歴史的建造物調査(領海内航行船舶からの徴税施設):
場所:プンタ・カンパネッラ海洋保護区
3)歴史的建造物調査(トーレ) 場所:ネラーノのトーレ
4)歴史的建造物調査(トーレ) 場所:プライアーノのトーレ
5))歴史的建造物調査(プライアーノ大聖堂) 場所:プライアーノ
6)考古学的都市調査(ビラ・ロマーナ博物館) 場所:ミノーリ
7)考古学的都市調査(ビラ・アメーナ) 場所:ミノーリ
8)地域の小さな重要な歴史的建築物の保存 場所:各所
下の地図は、その全コースを示したものです。プライアーノのトーレは、Dに位置しています。
◆現地踏査コース図 右のフローレ@から出発し最終的にフローレIに戻るコース
地図作成 青山貞一
◆出発 C→D
プライアを通過した私たちは、プライアーノの入り口付近で昼食(朝食の残りでつったサンドウィッチ)を食べました。
このお昼の時間が太陽が真上から真夏ような日差しを照り付けています。お昼は、停車している大きなバスがつくる日陰でいただきました。
食事後、私達はプライアーノの東はずれにある、イタリア語でトーレ(Torre)と呼ばれる見張り台に寄ることにしました。下の写真の岬の突端にある円筒形の構造物がプライアーノのトーレです。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
通常、イタリアではナポリなどの巨大トーレを除き、この歴史的建造物、トーレの中は見ることが出来ません。ネラーノでもトーレまで行きましたが、何には入れませんでした。
とりあえず、行くだけ行ってみようということで、SS163号線の道路からトーレに向かって階段を下りてみました。なにしろアマルフィ海岸では、坂は少なく何かと階段が多用されています。
下はSS163号線側にあったトーレを解説した看板です。ソレント半島では、四角のトーレが多かったのですが、アマルフィ海岸ではどこも円筒形をしています。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
下はトーレの平面図、側面図です。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
何はともあれ、玄関まで行きました。両側にロープが張ってあります。ひとたび崖から海に落ちると命がなくなる場所です。
トーレがまじかになってきました。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
これがトーレの入り口です。ドアが開いていました。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
中に入ってみると、トーレの中は、民間の陶芸家らのアトリエになっていました。このトーレは民間の資産で、芸術家たちは個人の持ち主から借りているのです。
2名の陶芸家は親切に私達を迎えてくれ、この後いろいろ話すことができました。また階上にも案内してくれました。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
下のYouTube動画は、プライアーノのトーレ内部で撮影したものです。内部の様子が分かります。
動画撮影:青山貞一 Victor HD Vide camera GZ-256E 2013-6-7
以下は、陶芸家のPaolo Sandulli さんへの池田のヒヤリングの内容です。
日時・場所 :2013.06.07 午後 Marina di Praia, Torre a Mare
:芸術家 Paolo Sandulli さんヒヤリング
ソレント半島の岬や湾口には至る所にTorre(見張り台)が設置されている。
プライアの港にも円筒型のTorreがあり、訪ねてみた。多くのTorreは個人の所有となっており、近くまで寄って見ることができるが、希に、中を活用しているTorreもある。カフェなどが典型的な例だが、ここプライアーノのTorreは、芸術家が持ち主から借りてアトリエにしていた。
Paolo SandulliさんのWebサイト
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
国道SS163を海沿いにプライアーノの住宅地を下りていくと、Torreに続く道があり、アトリエの看板があった。入り口に進んでみると、中から「どうぞ入って」と声を掛けてくれる男性がいたので、入ってみると、なんとそこは油絵、デッサン、陶芸、彫刻などの作品を作り、展示するアトリエとなっていた。狭い円筒型Torreの中にところ狭しと作品を飾り、作品作りの最中だった。
二人のうちの一人、Sandulliさんは英語が話せ、二階にも案内してくれてゆっくり作品を鑑賞することができた。
もともとSandulliさんはナポリ州の内陸の町Avellinoに生まれ、ナポリやローマを中心に芸術活動を行ってきたが、アマルフィ海岸地域の気候や太陽、そして人々が気に入って20年ほど前からここで活動しているという。地元の漁師の顔を50人デッサンし、それを陶芸で立体作品にする他、地域の歴史や風景を題材にした絵画(油絵や水彩)を描いているという。
50人の漁師さんの顔作品の一部です。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
陶芸はTorre内に電気釜を持込、24時間高温で焼き上げるという。どれも興味深い作品ばかり。旅行者の私たちに親切に作品の紹介をしてくださったうえ、いろいろなお話しもしていただきとても興味深かった。
こんな面白い作品もありました。魚はウツボです。この地域ではウツボをよく食べるそうだが、とても美味しいとのことです。
こんな面白い作品もありました。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
Torreの小さなまどに置いてあった陶芸の人物像やお魚の作品が遠くからも見えとても不思議な雰囲気を作り出していた。
芸術家にとってもすみやすいアマルフィ・コーストを実感できた。以前は、イタリアばかりでなくヨーロッパ各地やロシアなどからも芸術家がここを訪れ作品作りをしていたようだが、今ではなかなか場所を借りることも難しくなったせいか、芸術家の数も減っているとのことだった。
アマルフィー海岸地域の庶民の生活、暮らしぶりが気に入って作品としているとのことで、漁師50人の顔のデッサンと陶器の彫刻はなかなかすばらしかった。
下はトーレの二階から撮影したものです。。左上に見える岬はコンカディマリーニです。やはり円筒型のトーレが見えます。
プライアーノのトーレ(要塞、見張り)から見たティレニア海です。手前に作品があります
撮影:青山貞一 Digital Camera Coolpix S8 2013-6-7
つづく