2013年アマルフィ海岸現地視察調査報告 <125本 全体メニュー>
アマルフィ海岸の位置 フローレの紋章 イタリア国旗
<調査のハイライト(現地踏査)>
今回の調査では、以下に示すような過去2回の調査では行えなかった1日がかりの徒歩による現地踏査、また小型船舶を使った海上からの調査、基礎自治体内の集落、教区調査なども行いました。
<現地踏査ハイライト>
1)ソレント半島突端にあるプンタ・カンパネッラ海洋保護区への1日かけての現地踏査
2)アマルフィ海岸の崖上自治体と崖下自治体の1日かけての現地踏査
3)小型船舶による海からの沿岸自治体の地形・環境調査
4)小型船舶による離島(カプリ島)への現地踏査
5)内陸部の小規模自治体(トラモンティ)内集落の現地調査
(プカラ、ポルビカ、カンピノア、ポンテ、コルサーノ、ピエトリ、チェサラーノ、ゲーテ)
6)沿岸部の小規模自治体(ヴィエトリ・スル・マーレ)集落の現地調査
(マリーナ、ライト、アルボリ、ベニンカーサ、ドラゴネア)
1日がかりの特別現地調査は、断崖絶壁踏査です。
下の地図は、その全コースを示したものです。
◆現地踏査コース図 右のフローレ@から出発し最終的にフローレIに戻るコース
作成:青山貞一
◆出発 FーG 断崖絶壁登山(前半)
その後、プライアのSS163号線(ローマ通り)沿いにある登山入口から断崖絶壁を登山することになります。下は翌日、船から撮影したフローレのプライア海岸、登山した山々です。白い雲が立ち込めている辺まで上り、そのあと、右側(東側)に移動し、さらに左側を数km行くことになります。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
断崖絶壁の登山口は、下の写真の正面にありますアーチの橋の上右です。アーチの橋はSS163号線のものです。当日、私達の服装、靴と言えば、青山は長袖のシャツに作業ズボン、アディダスのトレッキングシューズ、池田はTシャツに綿のスラックス、それにジャングル・モックのシューズです。日差しが強いので、途中から青山が来ていた長袖のシャツをはおりました。
さらに水分補給用の水500mlを2本、それ以外は、撮影用機材です。
せいぜい2時間とみていましたが、後述するように何度か道を間違え、と言っても道なき道なのですが、それによって約1時間余計にかかりました。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
まず、SS163号線の橋の上に行きました。下の写真はグーグルマップのストリートビューです。右に石の階段がります。ここが登山口です。
下の写真は、横から見た登山口の石の階段です。
下の写真が石階段の正面からみたものです。
私たちはここから登り始めました。下は、登山口から石の階段を少し上ったところから見たプライア海岸です。きれいな海が見えます。
登山口から石の階段を100段ほど上ったところから見たプライア海岸
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
この辺までは、何とか階段がありましたが、その後、階段はなくなり、山道らしきものとなります。
最初はこんな感じの石の階段です
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
登山口から石の階段で断崖絶壁を直線的に200mほど登ったところに、下の写真にあるように、何とヒツジが放牧されていました。標高はおそらく300mほどです。
ここがすさまじい急斜面で、最初は階段がありましたが、すぐに階段はなくなり、滑りやすい土の崖となります。
さらに100mほど登ると、棚田状に放牧地を造成し、ヒツジを段々に放っていました。この辺の標高はおそらく450m程度です。なにしろ、つづら折りの山道ではなく、どれもこれも直線的に登るので、疲労が高まってきます。
急斜面でヒツジの放牧をしている
撮影:青山貞一 Victorデジタルビデオカメラから切り出し
下は断崖絶壁に棚田状に牧草地を造り、ヒツジを放牧している男性の土地です。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
羊飼いのそばで道を聞きましたが、その後、羊飼いのいるプライアーノ側の斜面からフローレ側の斜面に移り、さらに100mほど直線的に登った時、どうみても道を間違えたかなと感じました。
下の動画は、この辺りの地形、景観、急斜面に造られた棚田、羊飼いの家などを撮影したものです。
動画撮影:青山貞一 Victor GZ-265E 2013-6-7
幸い、こんな厳しい斜面で羊の牧畜をしている男性が私達から150mほど離れた位置から大声で、イタリア語で道を間違えていると、怒鳴っていたのです。
しかし、私達はイタリア語がわからず、さらに登ってゆきました。その後も、男性が何度も遠くから怒鳴るので、ひょっとしたらと、こちからかも英語で大声で怒鳴ると、男性が手を振っているのが分かりました。
羊飼いの方が道の間違いを指摘してくださったのです。
ほんとうに助かりました。その後は、ロバの糞を頼りに細い崖道を進み、なんとか目的地にたどり着きました。今でもその羊飼いは驢馬で農作物やその他の生活用品を運んでいるようです。
昔はどの家にもロバがいたそうですが、今はほとんど見られなくなっています。それでも、この崖での家造りに驢馬はとても役立っているようです。何しろ建材が石なので、石材を安全に効率的に運ぶためには驢馬が一番なのかもしれません。
フローレ側の斜面を下りてきた時に撮影した羊飼いの棚田状の放牧地。下の写真の中央より少し左にある家が、羊飼いの家です。私達は羊飼いの家のそばでも道を尋ねていますが、あんな凄いところにあったわけです。
中央より少し左にある家が、羊飼いの家です。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
下の写真では、お世話になった羊飼いの家が右上に見えます。
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S8
つづく