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中山道、信州 宿場探訪

諏諏神社下社秋宮

御柱(祭)


青山貞一 Teiichi Aoyama   池田こみち Komichi Ikeda
8 October, 2015
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信州 宿場探訪 (下諏訪宿・諏訪大社編)
1)下諏訪探訪 2)下諏訪の概要 3)下諏訪宿本陣(岩波家) 4)下諏訪宿と温泉
5)下諏訪宿本陣(かめや) 6)歴史民俗資料館概要 7)資料館 宿場と生活1 8)資料館 宿場の浮世絵
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12)諏訪大社とは 13)諏訪大社下社秋宮 14)下社秋宮 御柱(祭)  15)諏訪大社上社本宮1
16)諏訪大社上社本宮2 17)上社本宮 御柱(祭)  18)諏訪大社上社前宮 19)上社前宮 御柱(祭)
20)諏訪大社下社春宮 21)下社春宮 御柱(祭) 22)旧和田峠

◆下社の御柱

 次に諏訪大社と言えば御柱、そして御柱祭です。

 まずは下社の御柱についての解説です。

◆下社の御柱

 御柱(おんばしら、みはしら)または御柱祭(-さい、-まつり)は、長野県諏訪地方で行われる祭です。

 諏訪大社における最大の行事であり、正式には「式年造営御柱大祭」といい、寅と申の年に行なわれる式年祭です。

 長野県指定無形民俗文化財となっており、日本三大奇祭のひとつとされています。

 大社での開催年を中心に、全国の諏訪神社や関連神社(通称:小宮)でも同様の祭(小宮祭)が実施されます。

 諏訪神社下社の御柱は下諏訪町の東俣国有林から切り出されます。

 伐採は御柱年の1年前に行われ、山出し開始地点の棚木場に安置される。伐採が早い分、木が乾燥し重さは上社より軽い6〜8トンとなります。

 戦前までは東俣国有林から山出しをしていましたが、傾斜が急で事故が相次いだため戦後は現在の棚木場(たなこば)に移りました。

 初日に春宮四、春宮三、秋宮二の順で、2日目は秋宮四、春宮二、秋宮三、秋宮一の順で曳き出します。

木落し

 木落し坂は最大斜度35度、距離100m。追い掛け綱が切られ、御柱は土煙をあげ轟音を響かせながら猛然と坂を突き進みます。

 絶叫とも悲鳴ともつかぬ大歓声のもと、最後まで振り落とされず無事乗り切った氏子は満場の喝采を浴び「英雄」となります。

 「男見るなら七年に一度、諏訪の木落し、坂落し」と歌われているほどです。そして坂を落ちた御柱はさらに1km程の道のりを注連掛(しめかけ)まで曳かれていきます。
 
 山出しの最終日の翌日に注連掛祭という、御柱の周囲に白樺を立てて注連縄で囲う祭りが開かれ5月の里曳きまで休息します。


諏訪大社下社の木落とし  出典:Wikipedia

里曳き

 注連掛(しめかけ)に眠っていた8本の御柱が5月に出発します。

 国道142号線から旧中山道へ入った御柱は春宮境内裏側のミニ木落しより春宮境内に曳きつけられ、春宮一はその日のうちに建てられます。

 秋宮の4本の柱は春宮境内を経て下馬橋の前で曳行を終えます。二日目、秋宮の御柱は下諏訪町内をゆっくりと進み、大社通りを登っていきます。4本の御柱は境内で一夜明かし、御柱祭の最終日を迎えます。

建御柱

 上社同様、先端を三角錐に整える「冠落し」を行った後、数本のワイヤが取り付けられ、車地と呼ばれる回転式巻上げ機を氏子が回転させると、御柱は徐々に立ちあがっていきます。

 頂点でおんべを振る天端乗りは、御柱を豪快に演出する。これは、上社の建て御柱と同様です。

出典:Wikipedia

 以下は御柱祭りの実際です。

◆諏訪大社下社の御柱祭

 関連する自治体:岡谷市、諏訪市(上諏訪地区のみ)、諏訪郡下諏訪町

 下社の担当地区は取り決めにより固定されており、担当が入れ替わる事もありません。

 また山出し、里曳きで担当する柱や地区割も変わるという上社とは違う慣習があります。(例、岡谷市川岸地区の担当は毎回山出しが春宮三、里曳き初日が秋宮一、里曳き2、3日目は岡谷市湊・長地地区と合同で秋宮二、と決まっている)

山出しの担当地区

 秋宮一之御柱 下諏訪町(1・2・3・7・9区)
 秋宮二之御柱 諏訪市上諏訪
 秋宮三之御柱 下諏訪町(4・5・6・8・10区)
 秋宮四之御柱 岡谷市旧市内(岡谷・新屋敷・小尾口)
 春宮一之御柱 岡谷市旧市内(小井川・小口・今井・西堀・間下・上浜・下浜)
 春宮二之御柱 岡谷市長地
 春宮三之御柱 岡谷市川岸
 春宮四之御柱 岡谷市湊

里曳きの担当地区(初日)

 秋宮一之御柱 岡谷市川岸
 秋宮二之御柱 諏訪市上諏訪
 秋宮三之御柱 下諏訪町(2・3区)
 秋宮四之御柱 下諏訪町(4・5・8・10区)
 春宮一之御柱 岡谷市旧市内全地区
 春宮二之御柱 岡谷市長地
 春宮三之御柱 下諏訪町(1・6・7・9区)
 春宮四之御柱 岡谷市湊

里曳きの担当地区(2、3日目)

 秋宮一之御柱 諏訪市上諏訪
 秋宮二之御柱 岡谷市湊・川岸・長地
 秋宮三之御柱 岡谷市旧市内全地区
 秋宮四之御柱 下諏訪町

 なお、御柱は諏訪大社上下社、春秋宮とも以下の図のように弊拝殿などの周りに一、二、三、四之柱と、時計回りに建柱しています。


建柱の方法  出典:青山貞一作成


◆諏訪大社下社秋宮の最新(2015-8-16)の建御柱

 以下は今回の現地調査で撮影した諏訪大社下社秋宮の最新(2015-8-16)の御柱です。

 一、二の柱は拝殿の両側にありますが、三、四の柱は拝殿の後ろ側にあり、中に入ることができず写真がうまくとれていません。ご了承ください。これは他の宮でも同じです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16

 下は秋宮一之御柱です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16

 下は秋宮一之御柱です。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-8-16

 下は秋宮一之御柱です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16

 下は秋宮二之御柱です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16


 下は秋宮二之御柱です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-8-16

 下は秋宮二之御柱です。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-8-16

 下は秋宮四之御柱です。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-5-16

<所感>

 感じたことは、7年に一度とはいえ、これだけ幹周りのしっかりとした大木を一度に最低4宮×4柱切り出すことによる自然環境破壊です。これについては、青山が長野県環境保全研究所に在籍した頃、切り出しの現場を視察したことがあります。

 実際には必要最小限ではなく、周辺の木々も切り倒していたので、かなりの数の木が切り倒されていました。

 以下は2004年6月に撮影した切り出し現場の写真です。


撮影:青山貞一 2004年6月


つづく