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前半 後半 全体 ■2009年3月12日 マイダネク強制収容所を視察する 私たちはソビボル絶滅収容所の跡地を視察した後、マイダネク(Majdanek)強制収容所に向かう。 東ポーランドにおける4大強制収容所の位置 出典:赤丸は青山、元の地図の出典は http://biega.com/epoland-tour2.html とはいえ一刻一刻、夕方が近づく。 当初の予定では、マイダネクは翌日の3月13日に訪問する予定であったが、うまく行けばギリギリ日没前にマイダネク強制収容所を視察できる。 ソビボルからマイダネクへは、国道82号線で南下し、途中、地方道828号線を経由し、最終的に国道17号線からマイダネク(Majdanek)に向かう。途中は以下の写真にあるように両側とも残雪がある。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 国道17号線でマイダネクがあるルブリンに向かうものの、なかなかマイダネク強制収容所の場所がなかなか分からない。国道17号線はルブリン周辺では片側3車線の自動車専用道路並みの幹線道路となっている。一旦、17号線から外にでると、簡単に入ることができない。 一旦、ルブリン市内に入り、再度、国道17号線の反対側からマイダネクに向かう。途中、以下のような標識を発見。標識に沿ってマイダネク収容所に向かった。標識には私たちが午前中に視察したザモシチの名も見れる。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 下の地図はマイダネク強制収容所とルブリンの市街地の位置関係を示したものである。茶色で示した部分がマイダネク強制収容所の関連施設、北側(地図では上側)がルブリン市街である。 両者はわずか3kmくらいしか離れていない。私たちは、地図中、南端(下側)からマイダネクを目指したのだが、結局、一旦ルブリン市街まで17号線を走り、途中で折り返し何とかマイダネク強制収容所にたどり着いた。 Majdanek environs, fall 1943 Source:United States Holocaust Memorial Museum このようにマイダネク強制収容所は、ルブリンの南東約3kmの国道17号線沿いにある。マイダネク強制収容所は、かのビルケナウ強制収容所よりも広く、約270ヘクタールもある。 下の写真は、やっとのことで到着したマイダネク博物館の入り口にある標識。この強制収容所も現在は博物館となっている。 マイダネク強制収容所(今は博物館)の標識 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 到着した時間は、午後4時少し前、冬季のマイダネク強制収容所の閉館時間をすでに過ぎていた。 マイダネク博物館(強制収容所)の開館時間 夏季(4月から10月):08:00−16:00 冬季(10月から3月):08:00−15:00 展示施設の開館時間 夏季(4月から10月):09:00−16:00 入り口の前でうろうろしていると、下の受付があるビルの窓が開き、係員の男性が私たちを見て、手で「入ってもいいよ」と指図してくれた。これには感激した! おそらく、私たちが日本人(あるいはアジア人)であることを知って、閉館後であるにもかかわらず、入館を許してくれたのだろう。 マイダネク強制収容所(今は博物館)のゲートにある建物 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 実はこれには裏話がある。 私たちはこの日は、ジェシェフからザモシチ、ザモシチからウクライナとの国境沿いのベルゼック、ソビボルの2つの収容所近くに行くので、到底、冬季、閉館時間が午後3時となっているマイダネク収容所は視察できないことを知っていた。 したがって3月12日は、この日の最終目的地である宿泊地のルブリンに行く途中、マイダネク強制収容所の位置が確認できればよいと考えていた。 実際、迷ったこともあるが、マイダネク収容所に到着したのは閉館時間の午後3時を過ぎている。 本来ならとっくに門が閉まり、受付の人も帰っていたはずだ。にもかかわらず、私たちを入れて暮れたのは、イスラエルから大勢の高校生が見学に来ており、午後3時を過ぎても施設を見学を許されていたのである。 みぞれの中、イスラエルの旗を立てマイダネク内を視察する若者。そのうちのひとりの女生徒に英語で話しかけたら彼女らはイスラエルの高校生でああることが分かった。 マイダネク強制収容所内をイスラエルの旗をたて視察する高校生 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 彼らは大型のバス数台で来ており、広大な敷地の各所に分かれて視察していた。さらに冬季は開館時間中でも閉鎖されている展示施設も、特別に開かれ、高校生はそれらの施設もひとつひとつ見て回っていたのである。 ということで、私たちは幸運にも、イスラエルの高校生の視察にあやかって?入場や入館を特別に許されたのである。もちろん、入場、入館は無料である。 下の写真はマイダネク強制収容所の入り口ゲートから内部を見たところ。遠くに大型のバスが見える。 マイダネク強制収容所の入り口ゲートから内部を見たところ 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 下の写真は入り口近くにある有名な巨大な記念碑である。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 マイダネク強制収容所は何しろ広い。 あのアウシュビッツ2、ビルケナウ強制収容所よりも広いのだから当然だ。上述したように270ヘクタールもある!実際、中に入ってみるとその広さを実感する。 下の写真は広大なマイダネクの内部。遠くに大型バスとイスラエルから来た高校生の姿が見える。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 下の写真で矢印が向いている The Castle は、ルブリン城の方角である。ルブリン城はマイダネクから約3km北東にある。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 マイダネクはビルケナウと異なり、車で内部を巡回できる。 マイダネク強制収容所の監視塔を背景にした筆者 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 すでに閉館時間を過ぎていることもあり急いで一通り視察するため、私たちはレンタカーで内部を視察した。下の写真はレンタカーのヴィッツ。マイダネクはご覧のように雪が残っている。 ポーランド南部、東部を走行するヴィッツを背景にした池田さん 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 ■マイダネク強制収容所の全体概要 以下は国立マイダネク博物館の全体図である。 入り口は下であり、その南に国道17号線が走っている。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12
一方、下の写真、展示施設に展示されていたマイダネク強制収容所の全体模型である。上の案内図を左に90度回転させたものである。左端に人体焼却炉の煙突が見える。 マイダネク強制収容所の全体模型 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 つづく |