歴史短訪、新羅の首都慶州 1 Histric short visit to Gyeongju, Hometown of Silla 日程と概要 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2015年8月30日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
2015年6月23日〜25日、ひさびさ韓国の慶州(きょんじゅ)にでかけました。 慶州には、2001年9月に国際会議で出かけて以来です。そのときは、米国ニューヨークのワールドトレードセンターに航空機が衝突炎上したいわゆる9.11があったときです。 慶州は下の地図にあるように、韓国の南東部に位置しており、韓国の奈良といわれているほど古い石仏や寺院が沢山あります。 今回は非常に限られた日程ですが、主要な歴史的遺産などをしっかりと視察してくることが出来ました。 <安養門>と<紫霞門>に通ずる二つの階段(国宝)(世界遺産) 2日目午前 撮影:随行学芸員 Nikon Coolpix S8 2015-6-24 八万大蔵経(世界遺産、世界記録遺産)の建築物の前にて 2日目午後 撮影:随行学芸員 Nikon Coolpix S6400 2015-6-24 横から見た八万大蔵経の建築物と階段の全景 2日目午後 グーグルアースの3次元コンピュータ・グラフィックス 再建なった新羅王宮の別宮と鴨雁池を背景に 1日目午後 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-6-23 釜山のウォーターフロント 3日目午前 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-6-24 ◆新型ウイルス・マーズ問題 この時期、韓国ではマーズ(MERS)という新型ウイルスの感染者、死亡者が増えている最中でした。私達は航空機、ホテルなどのキャンセルも考えましたが、韓国におけるマーズの感染ルート、拡大の原因などを詳細に調べ、さらに可能な限り人混みなどには近づかないことなど、いくつかの点に留意すればリスクは殆ど無いと判断しました。 しかし、この時期、NHKなどは連日連夜、ニュースのトップで韓国のマーズ状況を報道していたこともあり、行きの大韓航空機は約180人定員のところ、乗客はわずか50名程度、しかもその大部分は韓国人でした。ちなみに帰国時の乗客は定員の80%程度でした。 現地では、行く先々の世界遺産視察地やホテルなどで日本人にはほとんど合うことはなく、またマーズ騒動以前に多かった中国人や欧米人の観光客もほとんど見受けることがありませんでした。 ◆日程とルート ・初日 初日、成田空港から釜山空港に大韓航空機で飛び、大韓空港から慶州までワンボックスの自動車で行きます。 釜山空港から帰りの空港までの間の自動車、運転手それに同乗の学芸員はあらかじめ手配し、かつマーズ問題との関連で、当初から人混みが多い場所には行かないようリクエストしておきました。 慶州到着後、世界遺産の新羅時代の古墳群の大陵苑を視察、ホテルにチェックインし、早めの夕食を取ってからやはり再建なった世界遺産の新羅王宮の別宮と雁鴨池を視察しました。宿泊したホテルは2001年9月に国際会議出席の際宿泊したホテルです。 大陵苑(テルンウォン) 約400,000m2を越える敷地に味鄒王陵など23基の古墳が保存されています。大陵苑は慶州の皇南洞にある古墳群の中でも最も大きい規模の古墳群です。また大陵苑には、味鄒王陵や天馬塚があります。 慶州の大陵苑にて 雁鴨地(アナプチ) 月城地区にあり、新羅王宮の離宮(別宮)です。現在、世界遺産として再建が進められています。この離宮の特徴は、雁鴨地という人工池をもち、すばらしい景観美を創造していることです。現在、月城地区の雁鴨地(臨海殿址)は、慶州歴史地区の一環として世界遺産に登録され、さらなる再建、修景が進められています。 慶州の雁鴨地にて ・二日目 翌日(2日目)は朝食後、午前中は慶州の世界遺産、石窟庵と仏国寺を視察しました。昼食後、午後は高速道路で慶尚南道陜川郡にある世界遺産の海印寺を訪問しました。海印寺視察後、高速道路で釜山に戻り海沿いのホテルに宿泊しました。 石窟庵(ソックラム) 大韓民国慶尚北道慶州市にある仏教遺跡。吐含山の麓にあります。元々「石仏寺」と呼ばれていましたが、「石窟」「趙家寺」などを経て、「石窟庵」と呼ばれるようになったのは日本時代以降です。1962年12月20日、大韓民国国宝第24号に指定されました。1995年に石窟庵から約4kmほど離れた仏国寺とともに、「石窟庵と仏国寺」として世界遺産(文化遺産)に登録されています。 慶州の石窟庵にて 仏国寺(ぶっこくじ、ブルグクサ) 大韓民国慶尚北道慶州市にある仏教寺院です。韓国仏教界の最大勢力である曹渓宗(大韓仏教曹渓宗)の寺院で第11教区本寺となります。吐含山のふもとにあり、1995年、石窟庵とともに 「石窟庵と仏国寺」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。また釈迦塔などが国宝に指定されています。 仏国寺の石橋の前にて 海印寺(かいいんじ、ヘインサ) 慶尚南道陜川郡にある寺院。韓国仏教界の最大勢力である曹渓宗(大韓仏教曹渓宗)の三宝寺院、五大叢林(海印叢林)に数えられています。また曹渓宗の第12教区本寺です。海印寺には大蔵経板殿(世界遺産)があります。これは高麗八萬大蔵経版木を収蔵する一種の書庫です。 海印寺の大蔵経板殿のレプリカの前にて 釜山広域市・ウォーターフロント 釜山は大韓民国南東部に位置する広域市です。対馬海峡に面し、古くから朝鮮半島と日本とを結ぶ交通の要衝として栄えてきた港湾都市でもあります。首都ソウルに次ぐ韓国第二の都市として、政治・経済・文化の面で重要な役割を担ってきました。現在は東アジア有数の観光都市/国際都市でもあります。その臨海部に宿泊し、ウォーターフロントを視察します。 釜山の海浜にて ・三日目 3日目は朝食後、釜山のウォーターフロントなどを視察した後、昼食をとり、車で釜山空港に向かい行きと同じく大韓航空機で成田空港に飛び帰宅しました。 下の地図は、ルートの概要を示しています。 韓国慶州・海印寺短訪のルート ◆アジア有数の港湾都市、釜山市から古都、慶州市へ移動 下は釜山国際空港です。 釜山国際空港 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-6-23 以下は釜山市から慶州市へのルートです。川の中洲にある釜山国際空港から慶州までは弾丸道路のように真っ直ぐに伸びた高速道路があり、2時間半ほどで慶州市に到着しました。 釜山市から慶州市へのルート 釜山から慶州までは高速道路で 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-6-23 車中、女性添乗員といろいろ議論をしました。最初は上述のマーズの件です。彼女によれば、日本からの韓国への観光客などは、この時期激減しており、航空機のみならずホテルなども大部分がキャンセルされているとのことでした。 マーズについてはアフリカから帰国した男性が入国時は潜伏期間内にあり発熱がなく、帰国後あちこちを移動したことで感染が拡大したのですが、興味深かったのか韓国固有といえる事情として、家族、親族が入院した場合、儒教の韓国では必ずどこの病院であれ、必ず患者の所にお見舞いに行ったり、家族の誰かが付き添いをするため、患者の体に接触する機会が多くなるとのことです。 これが途中まで感染者数が増えた最大の理由のようです。マーズ感染によりソウルにある韓国随一に類する巨大病院、サムスン病院が閉鎖されるまでとなりました。 とはいえ、感染経路、感染防御の基礎を理解していれば、今回のような2泊3日、それもソウルなどの大都市ではなく、地方の寺院循環のような旅行ではリスクはほとんどないと考えた私達の判断は間違っていなかったと思います。もちろん、本格的なマスク、洗浄スプレー、各種ティッシュー、タオルなどを持参したのはいうまもありません。 釜山側の料金所 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-6-23 つづく |