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歴史短訪、新羅の首都慶州 18

Histric short visit to Gyeongju, Hometown of Silla

慶州で青磁

青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2015年8月30日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁
歴史短訪、新羅の首都慶州 2015.6.23-25
1 日程概要 8 石窟庵 15 仏国寺伽藍@ 22 海印寺の歴史 29 八万大蔵経A
2 新羅の古墳群 9 如来坐像 16 仏国寺伽藍A 23 海印寺の周辺 30 八万大蔵経B
3 皇帝パン 10 修復問題 17 境内風景 24 伽藍の概要 31 八万大蔵経C
4 雁鴨池@ 11 仏国寺概要 18 慶州で青磁 25 大寂光殿 32 釜山へ
5 雁鴨池A 12 仏国寺の門 19 海印寺へ 26 大毘慮殿 33 釜山臨海部@
6 雁鴨池B 13 仏国寺石橋 20 トレッキング 27 梵鐘閣 34 釜山臨海部A
7 雁鴨池C 14 多宝塔と釈迦塔 21 海印寺の門 28 八万大蔵経@

 仏国寺を視察した後、慶州で有名な青磁をつくっている工房(窯場に行きました。下の写真はその現場です。


慶州の青磁づくりの工房
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-6-24

◆青磁(せいじ)とは

青緑色の釉 (うわぐすり) のかかった磁器。青緑色は釉中の鉄分が還元炎で焼成されて発色したもの。初め中国で発達し,東アジア各地に広まった。中国では魏・晋・南北朝時代頃から作られはじめ,宋代において完成。

 青磁を造るプロセスの説明を逐次受けました。その後、作品や製品を見て回りました。下はその写真です。青磁は高価なもので、おいそれと買えませんが、せっかくなので池田が手に持っている小さな花瓶を買いました。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

 製造プロセスを一通り見た後、製品が並べてある店に行きました。

 青磁は高価なものですので、おいそれとは買えませんが、流ちょうな日本語で写真の女性の説明にほだされ(笑い)、池田が手にしている花瓶を買いました。


慶州の青磁の店にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-6-24


慶州の青磁の店
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2015-6-24

◆青磁(せいじ)

 青磁とは、青磁釉を施した磁器(Porcelain)またはb器(Stoneware)のことです。

 透明感のある青緑色の磁器で、紀元前14世紀頃の中国(殷)が起源とされています、後漢代に流行し以後次第に普及した。 製造技術は日本や高麗にも伝播しました。

 特徴的な青緑色は、釉薬や粘土に含まれる酸化第二鉄が、高温の還元焼成によって酸化第一鉄に変化する事で発色する。色艶は全く異なりますが、酸化クロムの還元で発色させる物も青磁と呼ばれています。


龍泉窯青磁、南宋

 1200度以上で焼成される高火度釉で、植物灰を主成分とし、酸化第二鉄を含有します。

 ボディ(胎)から釉に拡散する鉄の寄与がある場合もあります。焼成によって原料の酸化第二鉄を還元することで酸化第一鉄ができ、青〜緑を発色した透明ガラスになります。還元の量と釉薬中に含まれる鉄分の量によって、黄色がかった緑から、空色まで発色が大きく変化します。

  現在では石灰バリウム釉を基礎釉とし、珪酸鉄を着色剤として使用することで澄んだ青色を得ることができますが、本来の青磁は灰釉です。

焼成技術上の問題[

 古くは、発色の不安定さから同時に焼成した器のなかで不良品が出易かった(歩留まりが悪い)、製作技術の向上や窯の進歩により安定して良品が量産されるようになるのは晩唐以降になります。

  焼く前にかける釉薬の厚さを厚くしないと(2〜3ミリ程度)青が発色しないため、釉薬がはがれないように施す工夫や、厚い釉のため器が重くならないように、素地を薄く成形することもあります。釉薬の厚みから時間をかけて美しい貫入が多く入ります。

出典:Wikipedia

 下は慶州で購入した青磁の花瓶です。なかなかすばらしい色が出ています。


慶州で購入した青磁の花瓶
影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

高麗青磁(こうらいせいじ)

 高麗青磁は、朝鮮半島の高麗時代(918年 - 1391年)に製作された青磁釉を施した磁器です。

 中国・呉越(907年〜)の餞州窯(現江西省、越州窯現浙江省とする説もあります)の青磁の技術を導入して焼き始められたものでありますが、その出現時期には諸説ある。最も早い説は10世紀前半(918年建国)、最も遅い説で11世紀後半であります。

 主な製作地は全羅南道の康津と全羅北道の扶安。宋の越州窯の青磁は中国で「秘色」と呼ばれましたが、高麗では12世紀前半に粉青色の陶器が生産出来る様に成ると粉青色を「翡色」と呼んでいます。


青磁透彫蓮花七宝文香炉 韓国国立中央博物館蔵

 元明の時代になると量産品が朝鮮半島だけでなく中国へも輸出される様に成りましたが、明朝では量産品を評して廉価ではありますが品質は雑窯の後(日用品を作る国内民間窯に見劣り)となりました。

 その造形は、手の込んだ良品は宋の竜泉窯の物とよく似ていて色は粉青です、一般品は餞州府の物と似ています。品質上の全盛期は一般に12世紀と言われ、元明の時代に輸出された品は中国では評判が芳しくなかったと言います。

 高麗の高級品と廉価品は共に南方より北方で好まれたようです。13世紀以降に評価が低くなったとする説が複数あります。それhモンゴルの侵入による社会の混乱だと主張する者もいれば、大量生産による品質低下ではないかと主張する者もいます。14世紀で流行は止み、粉青沙器に交替しています。

出典:Wikipedia

象嵌青磁について

 今回買い求めた花瓶や、掲載して頂いた茶道具の青磁は柄があります。こうした柄のある青磁を象嵌青磁(ぞうがんせいじ)といいます。

 高麗青磁には,釉下に白土や黒土を象嵌した象嵌青磁,釉下に鉄で絵付を行って青磁釉をかけた鉄絵青磁,鉄釉を全面にかけて青磁釉をかけた鉄砂釉青磁,金彩を施した画金青磁,辰砂を釉下に施した辰砂青磁などがある。象嵌青磁は中国にもみられない高麗独自の青磁で,緻密で繊細な文様が器面に施され,静けさと幽玄さをたたえたその魅力は高麗陶磁を象徴するものである。(世界大百科事典内の象嵌青磁の言及)


 下は英文トリップアドバイザーからの写真です。



This photo of Museum Mori is courtesy of TripAdvisor

 以下は池田が茶道の道具として持っている青磁です。

 雲鶴象嵌 青磁の茶入れ  柳 海剛作 (人間国宝)


雲鶴象嵌 青磁の茶入れ  柳 海剛作 (人間国宝)
撮影:池田こみち Nikon coolpix  S6400

雲鶴象嵌 青磁 水指   柳 海剛作  (人間国宝)



雲鶴象嵌 青磁 水指   柳 海剛作  (人間国宝)
撮影:池田こみち Nikon coolpix  S6400


つづく