歴史短訪、新羅の首都慶州 22 Histric short visit to Gyeongju, Hometown of Silla 海印寺の概要・歴史 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2015年8月30日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
||||||
ここで、海印寺について、その概要を紹介しておきましょう。 海印寺の公式ホームページ(韓国語) 出典:Wikipedia 海印寺(かいいんじ、ヘインサ)は、慶尚南道陜川郡にある寺院です。 韓国仏教界の最大勢力である曹渓宗(大韓仏教曹渓宗)の三宝寺院であり、五大叢林(海印叢林)に数えられています。また曹渓宗の第12教区本寺となっています。 海印寺には高麗八萬大蔵経の版木が保管されている大蔵経板殿は世界遺産に登録されています。
下は海印寺の全景です。奥深い山の中腹に境内があります。 海印寺の全景 海印寺パンフレットより
◆海印寺の歴史 新羅王第40代哀荘王の時代の802年(哀荘王3年、統一新羅時代)に海東華厳宗の開祖義湘の法孫順応と彼の弟子理貞が新羅王室の寄進を受けて創建しされました。 918年に高麗が建国された際、当時海印寺の住職だった稀朗の建国時の功績が認められ、海印寺は高麗の国刹になりました。 930年には太祖の支援で重建が行われました。その後幾度かの重建が行われたようですが、詳細はわかっていません。 李氏朝鮮(1392年〜1897年)の太宗による1407年(太宗7年)の仏教弾圧の際、存続を許された88寺院の中に海印寺の名前はありませんので、一旦廃寺になりました。 しかし世宗による1424年(世宗6年)の仏教弾圧の際、存続を許された36寺院の中に海印寺の名前があり、寺は復活しました(朝鮮の仏教#李氏朝鮮時代の仏教弾圧)。 なお、李氏朝鮮時代の仏教弾圧については、以下が詳しいです。 <参考>朝鮮の仏教 1488年(成宗19年)に王室の寄進を受け、1490年(成宗21年)に燈谷學祖和尚が重修しました。 世界遺産に登録された大蔵経板殿は、現在海印寺最古の建造物ですが、この時重建されたものです。 ◆歴史のつづき 4度に及ぶ大火 撮影:池田こみち Nikocn Coolpix S6400 2015-6-24 1695年(粛宗21年)に火災にあいますが、雷音敬演和尚が翌年に重建しました。 1743年(英祖19年)に凌雲一宗大師が重建されます。 1763年(英祖39年)に再度、火災にあいますが、3年かけて雪坡常大師が再建します。 さらに、1780年(正祖4年)に火災にあいますが。しかし星坡念初大師が5年かけて再建します。 1817年(純祖17年)に火災にあいますが、影月慧堅大師と晦隱昇惠大師が3年かけて重建を行っています。 このように、海印寺は繰り返し火災に見舞われており、本堂の大寂光殿をはじめ現存の建築はこのとき重建されたものがほとんどです。 日本統治時代の1911年、寺刹令施行規則(7月8日付)によって、朝鮮三十本山に指定されました(1924年以降は朝鮮三十一本山)。 <参考> 植民地朝鮮における総督府の宗教政策―抑圧と懐柔による統治― 出典:Wikipedia ◆海印寺の本尊、毘盧遮那仏 毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)は、大乗仏教における仏のひとつです。 毘盧遮那とはサンスクリット語のVairocana「ヴァイローチャナ」の音訳で「光明遍照」(こうみょうへんじょう)を意味します。「毘盧舎那仏」とも表記されます。略して盧遮那仏(るしゃなぶつ)、遮那仏(しゃなぶつ)とも表されます。 史実の人物としてのゴータマ・シッダールタを超えた宇宙仏(法身仏)。宇宙の真理を全ての人に照らし、悟りに導く仏。毘盧遮那仏については、『華厳経』に詳しく説かれています。 東大寺の毘盧舎那仏 出典:Wikipedia 下の写真は海印寺の毘盧遮那仏、韓国最古の木仏です。 海印寺の毘盧遮那仏、韓国最古の木仏 出典:中央日報 ◆海印寺の行事 春−護国八万大蔵経頂戴仏事(陽暦4月) 海印寺は外勢の侵略を非暴力平和の崇高な仏心で勝ち抜いた高麗大蔵経の精神を受け継ぎ、法輪常轉、国家安泰民心安楽、民族大融和を祈願する海印寺の最も大きな行事です。 秋−毘盧遮那仏無生戒(菩薩戒)受戒大法会(陽暦10月) 毘盧遮那仏が説いて文殊菩薩が伝えてきた法身界を菩薩界にさらに進展させた毘盧遮那仏無生界。唯一海印寺で説く、国内唯一の菩薩界です。 夏・冬−海印寺修練会(陽暦7〜8月) 清涼な早朝礼仏、108拝、寺での供養礼法など、全身で修行生活を体験することができます。心構えが変わり、考えが変化し、ものごとに対する態度が変わります。 年中−テンプルステイ 1泊2日の日程で、平日と週末に行い、一般陣が寺刹で出家体験をすることができる大切な機会です。(布教局に連絡して申し込む) つづく |